男子マラソンの川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)が、セカンドキャリア構想を明かした。

800メートルを2分2秒97、約2時間後に1500メートルを3分56秒22で走った後、「明日は(28日)合格発表なんです」と言った。

新型コロナ禍で、県をまたぐ往来の自粛が促されていた春。マラソンに付随した旅行がライフワークの川内は、それができないモヤモヤを晴らせる熱中できる事を探していた。その1つが「国内旅行業務取扱管理者」の資格を取ること。顧客と国内の旅行取引などが可能になる立派な国家資格だ。ユーキャンによると、合格率は「30~40%程度」。練習と継続しながら、その勉強にも励んだ。試験は「Go To トラベル」を利用した高地合宿の合間に受けた。その出来は…。「ほぼ確実に受かったと思います。明日の発表を待つだけ」。そう自信にじませた。

この資格を得ることで、「旅行とマラソンをつなげて、スポーツツーリズム的なものができるようになる」と力を込める。ちなみに、6月には旅行地理検定の中級も受かったという。「次のステップも考えていかないといけないですから」。さすがは、元公務員だけあって、堅実に将来も見据えている。もちろん、まだまだ先の話。「しばらくはやらないですけどね。現役なので」。今は選手として、レベルアップを目指す。22年世界選手権(米ユージーン)代表を目標としている。

今回、トラック種目に出場したのも、課題であるスピード強化のため。12月6日の福岡国際マラソンに向けては「感謝を示せる走りをしたい。最低限のサブ10(2時間10分切り)」と意気込んだ。

今大会には元駒大の駅伝主務で、川内のモノマネ芸人として知られるM高史(36)も仕事で会場に姿を見せていた。記者のリクエストで、ツーショット撮影にも応じるなど、変わらずサービス精神旺盛だった。【上田悠太】