女子は十日町が11年ぶり2度目の優勝を決めた。トップ十日町南から9秒差の2位でたすきを受けたアンカー山田寿々菜(3年)が快走。1キロ過ぎにトップに立つと、逆に26秒引き離してゴールテープを切った。例年12月に行われていた全国大会は中止となっている。

「予定通りの走りでしたか」との報道陣の問いに山田は「ハイッ!」と即答した。斉藤剛監督(41)が“天才肌”と評価する山田は3年間メンバー入りし、アンカーは2年連続。走り慣れたコースで強さを見せつけ、チームを逆転で11年ぶり優勝へと導いた。

1区から4区まで粘るが首位を奪えない。区間後半の体力低下など各ランナーが「自分の思う走りができなかった」と口々に明かす。そんな中、チームの思いが詰まった最後のたすきがアンカー山田に託された。

最終5区3キロ。9秒差2位でたすきを受けた山田は前半抑えた走りも、1キロ過ぎにトップに立つ。途中、2位と並走が続く場面もあった。だが前半に残した余力を一気に爆発させ、後半に突き放すプラン通りの走りを見せた。後方を振り返り「差が開いていたので安心した」。2位に26秒差をつけてのゴールだった。

全国大会中止に選手のショックは大きかった。コーチらのメンタルケアで今「“ネガポジ”で行こう!」と、チーム全体でネガティブ思考を、ポジティブに切り替えて今大会に臨んでいた。昨年は十日町南に56秒及ばず2位。屈辱を晴らし、メンバーの表情はキラキラと輝いていた。

山田は「高校でも駅伝は続けたい」と話し、「全国大会がなくなって悔しかったが、いい思い出になった」と仲間とともに歩んだ3年間に笑顔で幕を閉じた。【飯嶋聡美】