ケンブリッジ飛鳥(27=ナイキ)は10秒35の1着だった。

風は向かい風0・1メートル。何より大雨が好記録を阻んだ。タイムが出にくい湿気を多く含んだ重たい空気の悪条件だった。

スタートは鋭く出た山県亮太(28=セイコー)に先行を許したが、後半に巻き返した。100分の1秒の差で競り勝った。

オフは前半の30メートルを低く、スムーズに出ることに意識を置いていたケンブリッジは「初戦に向けて、やってきたことを出せればいいと思って走った。でもこれからもっともっと完成度を高めていかないといけないかなというのが印象」と、今季初レースを振り返った。

東京五輪の参加標準記録は10秒05。昨年8月に出した自己記録10秒03を出したが、それは対象期間外だった。「まずは標準記録を突破して、オリンピックに出られるように準備をしていきたい。まだいっぱいいっぱいではない。次のレースへ向けて、今日の課題を見直してやっていければ」と話した。