アスリートの生い立ちや人生のターニングポイントを聞く「わたしのツクリカタ」。ジャパンサイクルリーグ(JCL)は、3月25日カンセキ真岡芳賀ロードレース、26日カンセキ宇都宮清原クリテリウムで開幕します。シリーズ開幕に合わせ、JCLの昨年度年間王者で宇都宮ブリッツェンのエース、小野寺玲(27)に話を聞きました。全4回の3回目。母は元ミュージカル俳優で、好きなものには全力で背中を押してくれた親に感謝しています。(取材・構成=沢田啓太郎)
-パイロット、自転車選手以外の人生は想像できますか
小野寺 小学生から中学生にかけてはF1ドライバーになりたかったです。とにかく速い乗り物が好きだったので。乗り物に乗って競技する世界が好きだったのかもしれない。親に無理言って、レーシングカートに乗せにいってもらったりしましたけど、それ以上にはいけませんでした。
-自ら運転する乗り物がいい
小野寺 自分で操りたい。
-ではそれ以外の人生は考えられない
小野寺 基本的に何かしら乗り物に乗っているんだと思いますね。
-パティシエはどうですか? お菓子作りをされているそうですね
小野寺 あれは何でしょう、選手になってから海外遠征通じてカヌレ(※1)というお菓子にほれ込んだのがきっかけだったので。昔からの夢というのではなくて、選手をやっているうちに生まれた趣味というか。
-興味を持ったら入り込むタイプ
小野寺 凝り性っていうんですかね。自分が好きになったものは打ち込んでやります。
-好きなことをやりなさいとおっしゃってきたご両親の影響を受けていますか
小野寺 凝り性なところはどうかわからないですが、両親も割と好きなことをやってきた人たちでしたから、影響は少なからずあるでしょうね。ここまでクセのあるキャラになるとは、自分でも思わなかったです(笑い)
-お母さんは音楽関係の仕事をされていた
小野寺 はい、舞台やってましたね。ミュージカルです。
-ミュージカルの俳優さん
小野寺 結婚前にはもう辞めていたと記憶しているんですけど。
-舞台をみたことは
小野寺 ないですね。写真で見せてもらったくらいですね。(志摩)スペイン村の方でやっていたような話は聞きました。家事をしているときに常に歌っているイメージがありますね。
-小さいことに怒られた記憶はありますか
小野寺 怒られたことは当然あるんでしょうけど、後々にひきずるような怒られ方はなかったですね。やりたいことを全力でやらせてくれたことの方が記憶に残っています。僕はほとんど覚えてないんですけど、新幹線を輸送する大きなトレーラーを見に連れてってくれたりとか、電車に乗るためだけにわざわざ遠回りしてくれたりとか。僕が長男っていうこともあったんでしょうけど、本当に好きだ見たいと言ったら、いろんなところに連れてってくれたり、見せてくれたりしてくれました。おかけでいろんなものに興味を持てたし、好きなものが増えていったと思います。
-すごくいい話です。普通はあれするなこれするなと言う親が多い
小野寺 基本的にだめとは言わなくて、できるだけ寄り添って、希望をかなえてくれた印象があります。
-もしご結婚されて子供ができたら同じように接しますか
小野寺 親が子を束縛するのは一番よくないと自分も思っているので。僕の親がしてくれたように、幼少期にいろんなものを見せてあげて、興味を持ったものに取り組ませてあげたい。そういう時がきたらそれが理想かなと思ってます。(つづく)
※1=フランス・ボルドー地方の菓子。牛乳、バター、ラム酒、砂糖、卵黄などからつくる。カヌレとは「溝のついた」という意味。
◆小野寺玲(おのでら・れい)1995年9月3日、横浜市生まれ。小学生のころに栃木・鹿沼市に移り、作新学院高に進学。卒業後の2014年に那須ブラーゼンに入り、16年から宇都宮ブリッツェンに移籍した。自ら「音速戦士オノデライダー」と名乗り、ブログ等で発信している。身長176センチ、体重64キロ。洋菓子カヌレ作りの腕前はプロ並み。
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