どーもです。ARTISAN GOLF(アーティザンゴルフ)のニューモデル「LS☆720」シリーズのアイアンを試打出来ました。アーティザンゴルフは、タイガー・ウッズがほれ込んだクラフトマン、マイク・テーラー氏のブランドで、国内ではインフィニット合同会社が販売を手掛けるようです。このLS☆720シリーズにはキャビティの「LS☆720CB」、ハーフマッスルの「同HM」、マッスルバックの「同MB」の3モデルをラインアップ。今回全て打てましたので、まず「LS☆720CB」からいってみましょう。


まずは見た目から。


バックフェース全体が大きくへこんだキャビティタイプです。フェースセンターに重心が来るように設計しているようですが、トゥ側下部にボリュームを持たせているのも、その一環かと思われます。

フェースはセミラージですが、これは他の2モデルに比較してです。一般的なアイアンの中では、やや小振り系かもしれません。

ソール幅はフェースの大きさに対しては適当かな。でも、シリーズとしては最も幅広でした。

ネックはほぼストレート。ボディは結構厚めですね。バックフェース下部がしっかりボリュームがあるので、低重心は意識していると思います。

構えてみるとこんな感じ。トップブレードの厚さはしっかり確保されていました。また、ややトゥが立ったような印象もあって、つかまりが良さそうな印象を受けます。

今回試打したのは、日本シャフト製スチールシャフト「NSPRO MODUS3 TOUR120」Sフレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角32度、ライ角62.5度、長さ36.75インチ、総重量427.3g、バランスD2。シャフトスペックは、重量114g、トルク1.7、中元調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ったみた感覚ですが、重量的にはやや軽め。数値&バランス的にはそこそこ重量級のはずですが、不思議なことに手に取るとそこまで重さを感じなかったんですよね。なんでだろう? グリップの太さは普通かな。個人的には太めが好きなので、もう一巻き欲しい感じ。スチールシャフトなので、手でしならせてはいませんが、ワッグルしてみると思った以上に手元が緩い感じでした。「ん?」と思って他の2本をワッグルしてみましたが、なぜかこのCBだけ手元が緩く感じました。なお、これも理由が分かりません(汗)。素振りしてみると、振り感的には素直な感じでした。


実際に打ってみると、いわゆる飛び系アイアンとは確実に一線を画するモデルのように感じました。32度というロフト角の設定から飛距離を意識しているかと思いきや、その読みは外れました。球はある程度上がりますが、飛距離はまあ適性かなって。飛び系アイアンになれてしまうと「ん!?」と思ってしまいますが、32度で165yはボク的にはほぼ適性距離のイメージ。ある程度の高さとスピン量で止めるアイアンかなって感じました。また、腐れフッカーのボクとしては右に打ち出して戻ってくる弾道をイメージしてしまいますが、このアイアンだと右に打ち出せませんでした。打ち出し角は、いつもなら右8~10度ですが、このアイアンだと4~5度。これを“つかまりがいい”と言っていいのかはわかりませんが、右に打ち出そうとするとカットに入ってフェード系になっていました。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

各球データはこちら。


【3球平均】

HS37.8m/s、初速48.2m/s、打ち出し角17.5度、バックスピン量5404.6rpm、サイドスピン-587.3rpm、飛距離165.1y

【ベスト】

HS38.2m/s、初速48.7m/s、打ち出し角17.4度、バックスピン量5790.3rpm、サイドスピン-414.3rpm、飛距離166.1y


打感はソリッド系。ゴルフ体験主義のソリッド系は弾き感の中にもボールのつぶれ感がある感じで、その感覚がちょうど半々といった感じです。でも、芯を外すと若干弾き感というかカッツリした感覚なので、どこで打っているかの感覚は体感しやすいモデルだと思います。音は小気味の良いシュパッといった感じで、いかにも中上級者が好きそうな感じの音でした。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら


弾道的には高弾道ですね。32度のわりにはしっかり球が上がりやすいと思います。自分がダウンブローに打てているのかはわかりませんが、ボクのスイングでもガッツリ球は上がるので、レベルブローに打てれば球は上げられると思います。スピン量については、見た目的にはしっかり確保されているように見えました。スカイトラックデータ的には平均約5400rpmなので、ロフト角に対してはまあ適当かなって思います。


出球傾向は、ボクのスイングで軽いドロー系。でもいつものように、右に打ち出して戻ってくるのではなく、ほぼ真っすぐに打ち出してそこからドローのイメージ。ボク的にはもっと右に打ち出したいのですが…(笑)


振り感ですが、ワッグルで感じた手元の柔らかさは、実際に打ったときにはそれほど感じませんでした。ダイナミックゴールドほど切り返しで手元がしなるイメージはなく、その分シャープに振れるイメージでした。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS42m/s±2m/s辺りにオススメ。いわゆるディスタンス系とは一線を画するモデルですね。ある意味、使い手の側の技術を求められそうな部分もあり、その意味においては初心者向けではないと思いますが、レベルブローで打てれば十分使えそうなアイアンだと思います。アイアン本来が持つ役目である「狙う」にフォーカスしたモデルかなって感じました。

<アーティザンゴルフ「LS☆720CB」アイアン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:8▽上がりやすさ:9▽操作性:8▽構えやすさ:8▽打感の柔らかさ:9▽ミスの許容度:9

■ヘッド:軟鉄(S20C)

■価格:ヘッドパーツ単体1個3万1900円、4個(#7~PW)セット12万7600円 ※税込み価格