どーもです。キャスコ「UFO by POWER TORNADO」シリーズですが、今日紹介するW(ウエッジ)ゾーンをカバーする「同PP」(以下PP)がラストとなります。Wゾーンとしては42度のPPと46度のAAの2モデルをラインアップ。今回はPPを手配しましたが、ネーミングからPW相当かと思ってPPを手配しましたが、42度はマイアイアンでは#9相当。やらかしましたわ~(汗)。AAにすれば良かった…と思ってももはや後の祭りですね。というわけで、気を取り直して、PPを紹介します。


まずは見た目から。


ソールですが、77よりもさらにストレッチバックを減らし、よりコンパクトになっていました。感覚としてはチッパーとかに近い印象です。

フェースはシャロー。77の形状を踏襲し、ややトゥ側下部のボリュームを確保したイメージですかね。

ボディもシャローで、形状としては77とほぼ同じです。でも、ロフトがより寝ているので、こんな見た目になるのは必然でしょうね!

後ろ姿です。

構えてみるとこんな感じ。個人的には、どうしてもフェースの切り方でグースに見えるところが気になります。あとは、この形状でこれだけフェースが見えることがないので、そこも最初は戸惑いました。

今回試打したのは、オリジナルカーボンシャフト「Falcon shaft」Sフレックス装着モデルの#PP。スペックは、ロフト角42度、ライ角63.25度、長さ36インチ、総重量376g、バランスD0。ヘッド体積88cm3。シャフトスペックは、重量50g、トルク4.0、中調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボール使用。


持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽めで、グリップもやや細め。やはりこの辺はシリーズで一貫していました。シャフトを手でしならせてみると、結構手元にしっかり感がある感じで、しなりポイントはちょうど真ん中辺り。ワッグルしてみると、ヘッドの動き方は77とほぼ同じようなイメージで、素振りの感覚も77同様ですね。


実際に打ってみると、ぶっちゃけウエッジの感覚はありません。まあ、この見た目でウエッジと同じようなロフトと言われても、「はい、そうですね」とはなれませんでした。ゴルフ歴が長ければ長いほど既成概念が邪魔するでしょう。でも、もちろんこの形状にするメリットはあります。それは「上がりやすさ」と「ミスヒットの寛容性」です。まず上がりやすさですが、ウエッジのようにダウンブローに打ち込まなくてもOK。レベルブローに打てればガッツリ球が上がります。っていうか、むしろレベルブローのほうが、球が上がるイメージでした。また、多少のダフリ&トップはクラブがカバーしてくれます。おまけにスイートエリアも結構広め。特にフェース下部のミスヒットは「ん? 今のはちょっと下目だったよね」と思っても、弾道的には「えっ? なんかあったの?」ってな感じです。もっというと、「なんでボクの52度ウエッジ相当のスピン量で#9並の飛距離なの?」って。頭の中は????だらけでしたが、まあ、結果としてこれだけ縦も横もブレずに打てるなら、「なんか分からんけど、いいじゃん!!」ってな感じでした。


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら


【3球平均】

HS36.8m/s、初速43.6m/s、打ち出し角21.9度、バックスピン量8763.8rpm、サイドスピン-537.7rpm、飛距離137.3y

【ベスト】

HS37.1m/s、初速43.9m/s、打ち出し角21.3度、バックスピン量8858.5rpm、サイドスピン-379.9rpm、飛距離138.4y


打感は77同様ちょっと特殊で、ヘッドの中に何か詰まっているような重さと硬さでした。音もほぼ一緒で、チッ!!とサスティン短めの高音系。


弾道はこんな感じで


スカイトラックの弾道データはこちら


弾道は高弾道で、超高弾道といってもいいくらいかな。スピン量ですが、見た目ではそこまで多めには感じませんでしたが、約8700rpmはボクの52度相当のスピン量ですからね。それでボクの#9相当の飛距離って!! ボクの理解を超越していました。


出球傾向は、ボクのスイングでほぼストレート。悔しいけど、これだけ弾道がそろうのは珍しいですからね…


シャフトフィーリングですが、これは77とほぼ同じですね。結構手元のしっかり感があって、シャープに振れます。ボク的には、切り返しでもう少しだけヘッド重量を感じたいかなという思いはありましたが、まあ、それも好みの問題ですからね。


今回試打した限りでは、このスペックでHS38~42m/s辺りにオススメ。改めて考えると、メーカーはこれが「ウエッジ」とはしていません。あくまでもWゾーンなので、これを「ウエッジではない」と前述したのはボクの早合点でした。でも、実際に体験してみると、トップは出そうだけど、ザックリは回避できそうなイメージです。チッパーのようにグリーン周りの転がしでもその実力を発揮してくれそうかなって思います。手っ取り早く結果を出せるクラブだと思いますが、ゴルフ歴が長くなればなるほど、このクラブに手を出せるのかなという思いが拭いきれません。ボク自身、実際に体験してその良さが分かっても、固定概念を崩せるかといわれると、正直自信がありません。そういった概念がないエントリー層は手に取りやすいのかもしれませんね。


今回「UFO by POWER TORNADO」シリーズ全ゾーンの数本を試打しましたが、いろんな意味で複雑な気分です。誤解を恐れずに言ってしまえば、同シリーズはお助けクラブです。だからこそ、心のどこかにある「まだ頑張りたい」という思いにしがみついている自分を見つけてしまい、複雑な気分になっています。そんなボクが確実に言えることは、全てが「打ちやすい」「飛距離も出る」「ミスにも強い」ということ。1回フルセットを借りてラウンドしてみたいですわ~!! って、それでいいスコアを出せたら、完全に自己崩壊しそうだけど…(笑)

<キャスコ「UFO by POWER TORNADO PP」Wゾーン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:8▽上がりやすさ:10▽操作性:7▽構えやすさ:7▽打感の柔らかさ:7▽ミスの許容度:9

■ヘッド:スーパーハイテン、SUS630

■シャフト(重量/トルク/調子):「Falcon shaft」(S=50g/4.0/、R=42g/4.5/中調子)

■価格:1本3万5000円+税