どーもです。キャロウェイのニューモデル「ROGUE ST」シリーズのアイアンですが、今日は「MAX OS」アイアンを紹介します。文字通り「OS」(Over Size)ということは、「MAX」アイアンよりもひとまわりヘッドが大きくなっていました。ということは、打ちやすさを意識してだと思うのですが…。そんな想像通りの結果にならないのも、ゴルフクラブの面白いところですね!! 結果的に「んっ?」となってしまったモデルですが、なぜ「んっ?」となったのかも含め、レポしてみたいと思います。


まずは見た目から。


構造的には複合素材のキャビティアイアンですが、「MAX」アイアンのようにスイートエリア後部バックフェース部にウレタン・マイクロスフィアが配置されておらず、トウ・ヒールのボリュームがより強調されているように見えました。つまり、より高いミスヒットの寛容性を意識していると思われます。

フェースはセミラージで、「MAX」アイアンよりも気持ち大きめ。三角形っぽい形状は同じですが、トップラインのネック側がよりキュッと絞られていたように見えました。

ソール幅はフェースの大きさに対して適当ですね。

ネックはグースネック。確実に「MAX」アイアンよりもグース度合いは強かったです。

構えてみるとこんな感じ。トップブレードの厚さは「MAX」アイアンと同様ですが、グース度合いが大きい分、よりつかまりが良さそうな印象を受けました。

今回試打したのは、スチールシャフト「NSPRO ZOLOS 7」Sフレックス装着モデルの#7。スペックは、ロフト角28.5度、ライ角62.5度、長さ37インチ、総重量390g、バランスD1。シャフトスペックは、重量77.5g、トルク2.6、先調子。

試打会場は東京・メトログリーン東陽町、ボールはブリヂストンゴルフのレンジ用2ピースボールです。


持ってみた感覚ですが、重量的にはやや軽めで、グリップの太さもやや細め。シャフトを手でしならせてみた感覚も、「MAX」アイアンとほぼ同じイメージで、しなりポイントは真ん中よりもちょっと先辺り。ワッグルでのヘッドの動き方、素振りの感覚も、ぶっちゃけ「MAX」アイアンとの差が分からなかったです。


でも実際に打ってみると、「んっ!?」でした。打感的には好き嫌いこそあれ「MAX」アイアン同様硬さを伴う弾き系で、球離れの速さも大差はありません。球の上がり方もほぼ一緒で、つかまりは「MAX」アイアンよりも気持ち抑えられているようにも感じました。ここまでの要素で「MAX」アイアンと大差はないのですが、なぜか飛んでいません。弾道を見ても「MAX」アイアンの着弾点よりも気持ち手前にランディングしているように見えました。この辺はスカイトラックで確認するしかないので、数値を確認すると、3球平均で約175y!! 決して芯を外していたような感覚はないのですが、結果的に1度ロフトが立っているのに飛距離は10y落ちてしまっていました。試打時には同じ感覚で打っていたつもりですが、原稿を書くに当たってデータを確認するとHSが1m/s遅くなっていました。「MAX」アイアンのつかまりから体が勝手に反応したとしか説明できませんが、そう考えると人間の感覚ってスゴイなと、改めて感じたのでした。試打的には…ですけど(汗)


スカイトラックの弾道データはこんな感じで

その各球データはこちら。


【3球平均】

HS38.7m/s、初速49.3m/s、打ち出し角18.4度、バックスピン量4296.4rpm、サイドスピン-957.3rpm、飛距離175.6y

【ベスト】

HS38.5m/s、初速49.1m/s、打ち出し角18.8度、バックスピン量4082.3rpm、サイドスピン-888.4rpm、飛距離176.9y


打感は、硬さを伴う弾き系。結構カンカンした感じで球離れも速いイメージ。音も乾いた感じの高音系で、この辺のフィーリングは「MAX」アイアンと同じ。


弾道はこんな感じで


そのスカイトラックデータはこちら

弾道的には高弾道。構えた見た目でロフトが立っているのが分かるので、球を上げたくなりそうですが、そんな要素は1ミリも要りません! クラブがしっかり球を上げてくれます!! スピン量も少なめで、「MAX」アイアンとほぼ同じイメージでした。


出球傾向は、ボクのスイングで、気持ち強めのドロー。「MAX」アイアンとの差はこのつかまりのわずかな差かなって。「MAX OS」アイアンのほうが、気持ち直進性が高いイメージでしたが、データを見る限りでは、両者ともサイドスピンが禁断の4ケタなんですけどね(汗)


シャフトフィーリングと振り感ですが、ボク的には「MAX」アイアンとほぼ同じ。重箱の隅を突っつくような差ですが、ダウンスイングからインパクトにかけてのヘッドの返りは「MAX OS」アイアンの方が気持ち少なめに感じました。


今回ボクが試打した限りでは、このスペックでHS38~40m/s辺りにオススメ。基本性格的にはオートマチック系アイアンで、ぶっちゃけ、「MAX」アイアンとの差はほとんどないといってもいいのかなって感じでした。まあ、ヘッドがやや大きめな分より、アベレージゴルファーにとっては安心感があるかなって感じかな。「んっ?」となったのは、飛距離が出ていなかってことについてですが、その原因はHSが1m/s遅くなっていたからだと思っています。これは、その前に打った「MAX」アイアンのつかまり過ぎがあったので、おそらく体が勝手に反応してしまったのでしょうね。ヘッドがやや大きめなので、打ちやすさ優先のモデルかなと思いきや、まったく違うところに反応してしまったようです。まだまだですね。

<キャロウェイ「ROGUE ST MAX OS」アイアン>

■KAZ’sインプレッション(10点満点)

▽飛距離:8▽上がりやすさ:9▽操作性:7▽構えやすさ:8▽打感の柔らかさ:7▽ミスの許容度:9

■ヘッド:ボディ=【#5~#7】17-4ステンレス+ウレタン・マイクロスフィア+プレシジョン・タングステンウエート【#8~SW】17-4ステンレス+ウレタン・マイクロスフィア、フェース=カーペンター450スチール

■シャフト(重量/トルク/調子):スチールシャフト「ダイナミックゴールド95」(S200=95g/未発表/元調子)、「NSPRO ZELOS 7」(S=77.5g/2.6/先調子)。カーボンシャフト「VENTSUS5for Callaway」(R=45g/4.4/中調子)。

■価格:スチール&カーボンシャフト装着モデル5本(#6~P)セット11万8800円、単品(#5、AW、GW、SW)各1本2万3760円。※価格は税込み