井芹は「かわいいんですよ。しかもバランスがいいでしょ? 2人とも長男長女ですから」とデレデレだ。兄史雄さん(32)と妹真子さん(28)の子供4人の写真が、デコレートされたビニールケースに入って、キャディーバッグのポケットにある。

 真子さんが、毎年開幕前に作ってくれる“お守り”の15年バージョン。「妹は口数の少ない私と正反対。わいわい騒いでイケイケ。保育士だから明るいんですかね。子供のことで連絡をくれたり、頑張れっていう手紙をくれたり」と感謝している。

 16歳で日本女子アマを制した天才少女も、今年で30歳になった。結婚願望もある。兄、妹の子供を見たら、なおさら思う。

 「ここ数年、結婚を考えるようになりました。でも、やっぱりツアー優勝をしたい。(プロ転向の05年から)10年ほど試合に出ていて『もう優勝できないんじゃないか』と思うこともあるけど…」

 13、14年と賞金シード(賞金ランク50位以内)を逃し、今年も実質残り2試合で55位。苦しい戦いは続くが、おいとめいの笑顔を見たら、頑張らずにはいられない。【加藤裕一】

 ◆井芹美保子(いせり・みほこ)1985年(昭60)5月28日、熊本市生まれ。01年日本女子アマ優勝。04年に東海大二高卒業、05年にTPD登録でプロ転向。07年に賞金ランク42位で初シード獲得。プロテスト合格は10年で、過去最高の賞金ランクは12年の19位。157センチ、55キロ。