最近、女子プロたちの間で、じわじわと人気が広まりつつあるボールマーカーがある。先日、行われたニトリ・レディース(8月26~29日)で、私もそのマーカーの存在感に目を奪われた。導入は5位に入った勝みなみが使っていた「勝」印のマーカー。漢字1文字というデザインのインパクトはもちろん、これがグリーンの上でひときわ映えていたのである。

勝に聞くと、これは多くの女子選手らのバッグを担ぐプロキャディーの串田雅実氏からもらったものだという。以前の試合で同学年の原英莉花が使っているのを見て「グリーンのどこからでも見える」と興味を持ったところ、後日、串田キャディーからプレゼントされた。NEC軽井沢72(8月13~15日)の最終日から使用を始めたといい、勝は「めっちゃ見やすいです」とお気に入りの様子。ニトリ・レディースでもピンクや黄色などラウンドごとに色も使い分けていた。

串田キャディーによると、これは表札などを取り扱う協同工芸社(千葉県千葉市)が製造する「idea maker」というもの。同社の知り合いを通じて知り、まずは「串」1文字のマーカーを作った。すると、その存在感に気付いたキャディー仲間や女子プロらの中で「見やすい」「『串』って何かかわいい」と評判が広がり、実際に試合で使う選手が増えたという。今では原や勝をはじめ、青木瀬令奈や高橋彩華らも使用しており、一定の人気を集める「串」のほか、原は頭文字の「E」、高橋は「彩」など好みのデザインで作り、試合でも活用しているという。

同社ホームページによると、このマーカーは直径約4センチ、厚さは2ミリで素材はステンレス製。誰でも購入可能なようで、気になる値段は5400円となっていた。串田キャディーは「どんどん口コミで広がっていってますね。グリーンで一番目立つのはピンク。おすすめですね」と教えてくれた。人気急上昇中の「idea maker」。その広がりをこれからも注視していきたい。【松尾幸之介】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

17番グリーンでマーカーを手にする勝(撮影・江口和貴)
17番グリーンでマーカーを手にする勝(撮影・江口和貴)
17番グリーンでマーカーを置く勝(撮影・江口和貴)
17番グリーンでマーカーを置く勝(撮影・江口和貴)