【スコッツデール(米国)28日=塩畑大輔】石川遼(21)がウッズゆかりのコースで今季初の予選突破を目指す。31日に米アリゾナ州TPCスコッツデール・スタジアムCで開幕する、ウエストマネジメント・フェニックスオープンに向け、会場でショット練習。ウッズの今季初Vに「自分が目指すべきものを、世界で一番持っている人。なるべく早く一緒に優勝争いをしたい」と言葉を弾ませた。

 今大会にウッズは出場しないが、実はウッズの「伝説」が残る大会だ。99年最終日、13番パー5でショットを左に大きく曲げた。ボールは岩の横に。ショットが困難な状況になったが、ここで競技委員に「岩は地面に埋まっていないので、ルースインペディメント(取り除ける自然物)ではないか」と申し出た。競技委員は認めたが、普通ならとうてい動かせない巨大な岩。だが周囲にいたファンが重さ1トンと推定される岩を、ウッズのために10人がかりで動かしてしまった。

 ウッズにあこがれて育った石川だけに「ね、すごいですよね」とうなずいた。この日はラウンドはせず、前の試合で乱れて腰の痛みを招いたスイングの修正に専念。巻き返しへの手応えを得ていた。