世界ランク4位の松山英樹(25=LEXUS)は1イーグル、4ボギーの74で回り、2オーバーで首位と9打差の82位となった。ショット、パットともに苦しみ「最悪です」と切り捨てる出遅れ。ホールアウト後は3時間近くに及ぶ練習を敢行し、巻き返しに向け修正を施した。宮里優作(36)、谷原秀人(38)、池田勇太(31)がイーブンパーの45位。リッキー・ファウラー(28=米国)が7アンダーで単独首位に立った。 

 松山は18ホールを「最悪です」のひと言で片付けた。前半、爆発を予感させる瞬間はあった。15番パー4、残り103ヤードから52度のウエッジで放った第2打は、ピン奥から傾斜を下ってカップイン。スーパーイーグルだったが「それだけです」。続く16番でティーショットを4メートル弱につけたが入らない。その後3ボギーをたたき、最終9番は2メートル弱が左を抜けた。最後までバーディーパットがカップに消えなかった。

 フェアウエー(FW)キープ率64%は106位。ドライバーが乱れ、マキロイ(英国)が「全米オープン史上、最も広い」と言ったFWに置けなかった。「広いフェアウエーに打てない自分が悪い」。パーオン率50%は135位。ボギーだった8番はFWの真ん中からの第2打をバンカーに入れた。「小さなミスが自分の中である。それが積もって、8番みたいにいいところから大きなミスになったりする」。打つ直前、バックスイング方向へ20度ほどクラブを引いて戻す動作。4月のマスターズでは見られなかったルーティンは、試行錯誤の証しでもある。

 「スコアに対するパットの貢献度」もマイナス1・064で104位。ホールアウト後、パッティンググリーンで過ごした時間は、2時間を超えた。宮里優作に同行している父優さん、居合わせたカブレラベロ(スペイン)の助言にも耳を傾け、解決の糸口を探った。

 「終わったことなので、明日のベストを尽くせるように頑張りたいなと思います」。同組のファウラーに「65」を見せつけられた。メジャーを勝っていない“大物”としては真っ先に名前が挙がる2人だ。松山だって、このまま引き下がるわけにはいかない。【亀山泰宏】