宮本勝昌(44)が会心のゴルフで逆転勝ちした。「ミスショットもほとんどなく、チャンスにつけることができたし、パットがよく入ってくれた」。9バーディー、ノーボギーだ。18番パー5は残り245ヤード、打ち上げを入れて257ヤードのイメージを3番ウッドでピンそば3メートルにつけた。イーグルパットが決まれば勝利は決定的で「入れば(体操の)内村航平くん張りに、ギャラリーをあおるパフォーマンスをしようかと考えていた」。惜しくもイーグルは逃し、パフォーマンスは“お蔵入り”となったが、楽々バーディーで締めて、2位I・H・ホに1打差で競り勝った。

 一方、優勝会見では「40歳過ぎの選手はみんな思っているだろうけど『もう優勝できないかも』と思っていて」と明かした。14年日本シリーズで通算10勝目を挙げて「ひとつの区切りで、もちろん11勝目、12勝目と思っていたけど、だんだんそれも薄れていた」。ただ、今季は成績がよかったので「チャンスは来ると思っていた。実際に優勝できて、月並みですが『うれしい』しかない」と続けた。

 4月パナソニック・オープンで久保谷健一にプレーオフ負けしたことも、再び闘争心に火を付けたという。

 年齢を重ねても、優勝の味は変わらないが、心境は変わるという。「若い頃より周りへの感謝。支えてくれた人たちと喜びを分かち合う、恩返しをしたい。そういう心境の変化はあった」と話していた。