【シャーロット(米ノースカロライナ州)7日(日本時間8日)=亀山泰宏】男子ゴルフの松山英樹(25=LEXUS)が大本命として今季最後のメジャー、全米プロ選手権(10日開幕、ノースカロライナ州クウェイルホローC)に臨む。世界選手権シリーズ2勝目を飾ったブリヂストン招待から一夜明け、米ツアー公式サイトによる優勝候補予想「パワーランク」(PR)で1番手に名を連ねた。日本男子初のメジャー制覇への期待は、かつてないほどに高まっている。

 20人のPRで真っ先に名前を挙げられた松山に対する寸評は力強い。「彼の番だ。前週ショットが改善し、1段上のギアが入った。日本初のメジャー覇者になる準備はできている」。通算21試合目となるメジャーでPR1番手に推されるのは初めて。堂々の優勝候補筆頭として大一番を戦う。

 ブリヂストン招待最終日にウッズ(米国)の大会記録に並ぶ「61」をマークした逆転Vの興奮は、場所を移しても継続している。今季3勝目から一夜明け、全米プロ選手権のコース入り。「『61』を出したマツヤマだ」と多くのギャラリーからサインを求められた。スマートフォンの翻訳アプリで発音を練習し、近くにいた日本人にレッスンしてもらった上で「ワタシト、イッショニ、シャシンヲ、トッテクダサイ」と声をかけ、2ショット撮影に成功したファンも。高まるムードの中、本人はアウト9ホールを回った後、パッティンググリーンで黙々とショートパットのストロークをチェック。調整は4時間近くに及んだ。

 前日の優勝後には「全英の時に比べたら(いいショットは)増えていると思う。あともうちょっとかなと思う。あと3日間あるので、しっかり準備したい」と話していた。直近のメジャー、全英オープンではPR1番手だったスピース(米国)が優勝を飾った。全米プロでは14年マキロイ(英国)もPR1番手の前評判通りに強さを発揮してメジャー4勝目。当時のマキロイは前週に行われたブリヂストン招待と全米プロを連勝している。松山が同じルートをたどっても、何ら不思議はない。