前年覇者の畑岡奈紗(18=森ビル)が大会連覇に王手をかけた。第2ラウンドの残りが行われた後、第3ラウンドを通算9アンダーの2位で出ると、6バーディー、2ボギーの68で回り、通算13アンダーの203で単独首位に浮上した。76、77年の樋口久子以来、40年ぶり史上2人目の連覇、そして前週のプロ初優勝に続く2週連続Vの同時達成にも挑む。

 独走モードに入った。好調のショットに自信を持つ畑岡は前半1番、ピンまで3・5メートルに寄せたバーディーパットを成功。それを皮切りに3連続バーディーを決めた。4番の初ボギーの後も流れを切らさず、8、9番で連続バーディー。後半は「12番のボギーで流れを止めた」と反省しつつもスコアを落とさず、2位で並ぶ金楷林、申ジエ(ともに韓国)に2打差をつける単独首位に立った。

 「ここ3日間、思い切り振り抜けている」というショットは強化を続けた下半身が支える。米ツアー時は宿泊先でのチューブトレで、地道にインナーマッスルを鍛えた。現在もバーベルを使って足腰に負荷をかけている。ティーショット直前、重心を下半身に落とす意識を高めるために軽く3度、ジャンプしてから構えに入るルーティンで安定感も増した。週明けにはアマ時代に師事したナショナルチームのジョーンズ・ヘッドコーチのもとで練習。昨年の米ツアー最終予選会で畑岡のキャディーも担った同ヘッドは「世界で一番タフなツアーで学んだものは大きい。1年で成熟した」と評価するほどだ。

 第3日のスタート前、小俣キャディーから「(4日間で)20アンダーを目指せ」と提案された。

 畑岡 優勝争いの時、相手のスコアに頭がいきやすいけれど自分の目標を達成するためにやりたい。まず15アンダー。20アンダーも目指したい。

 投光器に照らされた薄暗い練習グリーンで最後までパット練習を続けた畑岡は、史上2人目、40年ぶりの連覇を独走Vで成し遂げるつもりだ。【藤中栄二】

 ◆日本女子オープンの連覇 樋口久子が1968~71年に4連覇し、76、77年に2連覇を達成。合計8回優勝している。複数回優勝は■(■はサンズイに余)阿玉が83、86、91年の3回。優勝2回は吉川なよ子(79、87年)、大迫たつ子(81、84年)、日蔭温子(82、92年)、森口祐子(85、90年)、岡本綾子(93、97年)、服部道子(94、03年)、宮里美香(10、13年)の7人。

 ◆畑岡記録メモ 畑岡が第3日までにマークした通算13アンダー(203ストローク)は54ホールでの大会最少スコア。これまで09年に宮里美香が記録した通算11アンダー(205ストローク)が最少だった。また畑岡が大会連覇と2週連続優勝を同時達成した場合、13年にニトリ・レディースを連覇したアン・ソンジュ(韓国)が前週のCATレディースに続く2週連続Vを飾って以来2人目、日本人では初となる。