男子ゴルフの石川遼(26=CASIO)が、今季国内ツアー初戦となる日本オープン(12日開幕、岐阜関CC東C)で伊沢利光(49)のおい、伊沢秀憲(26)をキャディーとして起用する。

 ジュニア時代から同い年のライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人。秀憲は利光が4位に入った01年マスターズで叔父とともにパー3コンテストに“出場”した。「小学生の時でした。同級生の中では誰よりも早くマスターズにいったんじゃないですかね」と笑顔で振り返る。

 利光の父、秀憲にとっては祖父にあたる利夫さんの厳しい指導で力をつけ、早くから才能の片りんをのぞかせていたが「12歳くらいの時、ドライバーからアプローチまでイップスになってしまったんです」。それでも諦めることなく腕を磨き続け、今季もセカンドQTを突破してサードQTへの挑戦を控えている。そんな秀憲を「技術面で本当に尊敬している」という石川が夏ごろにオファー。キャディー未経験だった秀憲も「長文の熱いメッセージをもらって、これはもうやるしかない、と。少しでも力になれたら」と快諾して実現。QTの日程などを考慮した結果、日本オープンでコンビを組むこととなった。

 石川が「キャディーとしての仕事はほとんど求めてない」と笑うように、選手目線で意見交換できるのが最大の強みだ。9日も練習パートナーのように技術論を交わしながら18ホールをチェック。特に秀憲が得意とするアプローチについては「1日1個、新しい感覚を彼から得ている感じ。今日はドロー回転のロブショットを教えてもらった」と早くも効果を実感している。

 米ツアーの出場権を喪失し、米下部ツアーなども選択肢に入れながら来季主戦場を探っている石川。「彼も諦めずに進んでいこうという気持ちを感じるし、お互いにとって、すごくいい1週間にしたい」と誓った。