今季国内2勝の畑岡奈紗(18=森ビル)が米ツアーで初めての首位スタートを切った。8月からバッグを担ぐ小俣裕次朗キャディー(42)との好コンビでボギーなし、6バーディーの安定感をみせ、6アンダーの66でトップ発進を決めた。

 やる気スイッチが入った瞬間だった。後半の11、12番でスライスラインを読み切れずにパーが続いた直後の14番。第2打後、畑岡は小俣キャディーのゲキを受けた。「そろそろ入れろよ!」。3メートルのバーディーパットを沈め、17番まで4連続バーディー。圧巻は16番のロングパットだ。ピン左奥13メートルをねじ込んだ。畑岡は「怒られるの嫌なので(決めた)」と苦笑しながら感謝。同キャディーも「我慢比べになっていたから。きちんと入れてくれた」。あうんの呼吸で好スコアを出した。

 9月上旬まで参戦した米ツアーで実現できなかった初の首位発進。「意識はしなかった」と振り返るものの、自己採点は90点と満足そうな笑みも浮かべた。初めて同組で回った米4勝のウィー(米国)や同6勝のA・ジュタヌガーン(タイ)に負けない飛距離も披露。ジュタヌガーンには、プロになった時期や優勝回数を尋ねられるなど、存在感も示すことができた。

 米ツアー参戦選手のカテゴリーに入る畑岡は大会Vで19年まで2年の米シード権を獲得できる。「考えずにプレーしています。いつもと変わらない試合をやりたい」。車で約30分という自宅通勤の米ツアー。絶好の優勝チャンスを逃すつもりはない。【藤中栄二】