1年前は松山英樹が2位に7打差をつける圧倒的な強さを見せつけたこの大会。今年はツアー初優勝がかかる2人が、絶好の位置で最終日を迎える。

 スコアを3つ伸ばし、通算14アンダーの202で単独首位に立ったスンス・ハン(31=米国)。子どもの頃はスピードスケートのショートトラックの大会で優勝し、テコンドーは黒帯とスポーツ万能。12歳から始めたゴルフでも才能は早々に開花した。02年には米国ジュニアゴルフ協会の大会で年間5勝をマーク。あのタイガー・ウッズ(米国)らが保持していた4勝の年間最多記録を塗り替えた。

 当然将来を嘱望された選手だが「プロとしてはこれが一番大きな(優勝の)チャンスです」。米国で結果を残せず、14年から日本ツアーに参戦したが、15年にはメンタル面から1度競技を離れた苦労人の顔も持つ。「今までと同じことをやるだけ。自分でコントロールできることに集中する」と冷静に話した。

 そのS・ハンを1打差で追うのが19歳の任成宰(韓国)。前週には米下部ツアーの3次予選会を突破し、7日に日本へ戻ってきたばかりだった。最終組で回り「アマチュア時代と違ってプロは緊張するんだなと実感しました」と初々しいが、米下部ツアー最終予選会に弾みをつける意味でも目の前のチャンスを逃すつもりはない。「3ホールに1個バーディーを取る感じでいきたい。そうすれば優勝も狙える」と意気込んだ。