日本ゴルフツアー選手会は5日に理事会を開き、石川遼(26=CASIO)が新選手会長に選出された。26歳110日での選手会長就任は最年少となる。

 年明けに打診を受けた。2日に千葉県内で小平智(28)らと行った初打ちでホールインワンを達成。「どんな年になっちゃうんだろう…」と大きな変化の訪れを予感した翌日、スマートフォンに宮里優作(37)から長文のメッセージが届いた。「若手の代表なら石川くんしかいない。石川くんの力を借りたい」と考えた前選手会長のオファーだった。

 理事会で他の理事からも推薦を受け、受諾の意思を固めた石川だが「選手会長とは縁がないと思っていた」と笑う。ただ、プロとして日米で10年間戦ってきた経験がある。「20歳の時だったら、完全に名前だけという感じになってしまうと思う。今は自分の中で、ビジョンと言うほどはっきりとはしていないですけど『もっとこうした方がいいんじゃないかな』とか自分の“職場”のことを考えることが増えてきている」と立ち位置の変化を実感していたタイミングでもあった。

 女子優勢とされる国内ツアー。先人に感謝しながら「今」を担う1人の選手として危機感を口にする。「ジャンボさん、青木さん、中嶋さん、さらにはもっと大先輩の方々が育ててきた木の実を、僕らは食べさせてもらっている状態。20年後、試合数がこのままでいけるという甘い見方ではいけない。20年後がもっと充実しているように、僕らが今もう1度、畑を耕して種をまいていかないといけない。後の世代に受け継がれるような基盤を作っていかないといけない」と熱っぽく話した。早速、地方でのイベント開催プランを披露し、ギャラリーが見やすいロープの張り方を運営サイドと自ら協議していく姿勢を示すなど、アイデアはあふれてくる。

 昨季限りで米ツアーの出場権を喪失。選手会長就任で米下部ツアーへのスポット参戦も難しくなった。米ツアーからの一時撤退という現実を受け止め、新たな重責とともにプレーヤーとしても出直しを図る。「1年ですぐアメリカに戻れるほどの技術は、今の自分にはない。自分のゴルフに対しても種をまく時期。自分がゴルフをしている上で一番大切にしていることは、見ている人に喜んでもらうということ。選手会長としてもそういう軸を持ちながらやっていくことで、自分のゴルフの部分、選手会長の部分がリンクしていけば、両方が充実した時間になっていく。(選手として)自分のピークを、まだまだ先にもっていきたい」と力を込めた。