アーノルド・パーマー以来となる大会史上2人目の3連覇を狙った松山英樹(25=LEXUS)が、左手親指を痛めてスタート前に棄権した。第1ラウンド前半13番で痛みが生じながら、2アンダーで首位と5打差の29位発進していた。

 13年末に左手親指の付け根を痛めたことがある松山は患部の状態について「(今回は)付け根じゃないです。初めての痛み」と表現した。飯田光輝トレーナー(40)によれば「(本人の感覚は)4年前とは何か違うらしいです。痛みの出方が違うと話していました」。第1ラウンド終了後も前回の付け根を痛めた時に効果のあった治療を試みたが「今回は治らなかった」(松山)という。

 4月には大目標のマスターズ(ジョージア州)が控え、今後の参戦スケジュールを見直す可能性もある。「原因を調べて、次の試合に間に合うように。それも無理だったら、メキシコとかも(見送って)。フロリダからでもいいので、痛みのない状態でプレーしたいなと思います」。回復具合によっては、フェニックス・オープンの次に予定していたジェネシス・オープン(15日開幕、カリフォルニア州)、さらに世界選手権シリーズのメキシコ選手権(3月1日開幕)の出場を見送ることも示唆した。その場合は、3月15日からのアーノルド・パーマー招待(フロリダ州)に照準を合わせることになりそうだ。

 コンディションさえ整えば、メジャーで優勝を争うポジションにいることは疑いの余地がない。「(いったん)日本に帰るのか、こっち(米国)で検査を受けるのか。チームで考えて、しっかりと判断したい」。淡々と話し、会場をあとにした。【亀山泰宏】