松山英樹(26=LEXUS)の7度目のグリーンジャケット挑戦が終わった。4バーディー、1ボギーの69で回り、通算3アンダーの285で19位。大会前は予選落ちも覚悟していたという状態から60台をマークする意地は見せたが、悲願のメジャー制覇は持ち越しとなった。初出場の小平智(28)はイーブンパーの28位。パトリック・リード(27=米国)が、15アンダーでツアー通算6勝目となるメジャー初優勝を飾った。

 シーズンの大目標でもある試合を終え、松山が素直な思いを吐き出した。「よく頑張ったなという感じです。ショットとアプローチとパター。全てが悪い状況で4日間できるというのは、想像していなかった。(一方で)できるんじゃないかという自分もいた。その中間で終わった」と、消化不良の結果を総括した。

 2月に左手親指を痛めた。調整への影響は「関係ない」と否定した。4バーディーの前半で3つ伸ばした時、今週初めて名前を載せたリーダーボード。ホールアウト時点では、半分ほどが白いままだった。「まだ最終組が9番くらいを回っているところで、こうやってインタビューを受けるようじゃ、到底納得はできないですよね」と悔しがった。

 タイガー・ウッズ(米国)が、切り返しで間を取ってから一気に加速する松山のスイングを見て「1度ストップを入れて、反動を使わずにあれだけのスピードを出せるのはすごい」と評したことがある。左手親指を含め、驚異的なスピードを操る体には相応の負荷がかかる。

 今後は痛みが出ないようなトレーニング法などを探る。「(左手は)2、3週間休めば大丈夫だと思う。ちゃんと消化してから(次の)試合に出たい。“小手先ゴルフ”じゃなく、しっかりしたものをつくらないと、ここでは勝てない」と出直しを誓った。12位までに与えられる来年の出場権を4年ぶりに逃した。苦い経験が、松山をさらに強くする。【亀山泰宏】