ツアー通算31勝の片山晋呉(45=イーグルポイントGC)が、絶体絶命の窮地からよみがえった。2位から出て前半に2つスコアを落とすと、11番でトリプルボギーを打って、一時はV争いから脱落した。そこから残り7ホールで1イーグル、3バーディー。70で回って通算9アンダーまで戻し、204で首位と3打差3位。今季初優勝の可能性を残した。同12アンダーの金亨成(37=韓国)が首位。

 45歳のベテラン片山が興奮した。「こんなこと今まで記憶にない。普通ならできない。5年前の俺なら終わっていたね」。OBを打った11番パー4でトリプルボギー。通算4アンダーまで落とし、万事休すかと思われた。続く12番で1つスコアを戻すと、13番パー5で6メートルのパットを沈めてイーグル。14番は8メートルのバーディーパットを沈めた。心が折れてもおかしくない状況から最終的に70で回り、首位と3打差3位。「同世代の野球選手はもういない。45歳でもできるんだね。やっぱり戦っている自分が好き」。今季初優勝へ、中年の星が勢いに乗った。