プロ7年目の時松隆光(24=筑紫ケ丘GC)が、逆転で今季初となるツアー3勝目を挙げた。首位と1打差2位から出て3バーディー、2ボギーの71で回り、通算10アンダーの278で逆転。史上4人目のアマチュア優勝を狙った東北福祉大3年の久保田皓也(ひろや、20)とのV争いで、谷口徹(50)から「負けたら丸刈り」とハッパをかけられていた。久保田は終盤に崩れ4位に終わった。

 朝のパター練習場で、時松は尻をたたかれた。前週優勝のベテラン谷口が近寄ってくるなり「負けたら丸刈りだからな」…。アマ久保田との優勝争い。プロの意地を見せるしかなかった。11番でボギーをたたくと2打差に広がり、一時は「優勝はないな」と諦めた。最終18番でもボギー。久保田が崩れて転がり込んできた優勝で、喜びを控えめにしていると、今度は日本ゴルフツアー機構の青木功会長から「リアクションをもっとしろ」と叱られた。

 庶民派プロだ。台風で2日間競技となった昨年10月のブリヂストンオープン以来の3勝目。海外に活躍の場を移した小平智から「賞金で時計くらい買え」と言われても「携帯があるから」。悩んだ末に両親に50万円のマッサージ機を購入し「それが一番デカい買い物」と明かした。賞金ランクは7位に浮上。次なる目標を問われても「僕の目標は…。あれ、ど忘れしちゃった」。無欲のいじられキャラが、最後に笑った。【益子浩一】