石川遼(26=CASIO)は2バーディー、4ボギーの74で回り、2オーバーで首位と6打差の65位だった。

 12番でボギーが先行し、ツアー史上最長705ヤードの16番パー5ではドライバーを左の深いラフに入れて第2打は出すだけ。4オンからショートパットがカップに蹴られ、2オーバーで折り返した。「インコースの方がタフ。なかなかいい流れでいけなかった」と振り返る。最初のバーディーは後半2番。ドライバーで右のギャラリーロープ外のラフに入れながら、第2打をピン手前まで運んだ。パー5の3番も連続で取ったが、6番のボギーで再び後退した。

 「アイアンが左、左に引っ掛かっている。自分としては生命線というか、そこでやりくりしている部分があるので」と反省しつつ「ドライバーは、そこまでひどくない」。フェアウエーキープ率57・14%(部門別48位)は、今季ここまでの39・84%(同123位)を上回っている。

 明確な変化も見て取れる。これまで目立っていた、切り返しでクラブを寝かせるような素振りを一切しなくなった。コースを歩きながらスイングのイメージを気にするそぶりも減っている。「(素振りが)シンプルになったでしょ? それだけ、考えることが減った。前はゴルフよりスイングのことを考えていたけど、今はスイングよりゴルフのこと考えている」と話す。

 自分との闘いから、コースと対峙(たいじ)できる段階へ。「これがやっとスタートライン」というのが本人の見立てだ。前進を感じ取ることはできても、スコアがオーバーパーでは納得できるはずもない。「タフな残り3日間になる」。あくまで4日間の戦いを見据え、浮上を誓った。