宮里優作(38=フリー)が6バーディー、ノーボギーの65をマークし、通算3アンダーの210で20位に浮上した。

 前半だけで4つ伸ばして折り返すと、後半12番では2メートルのパーパットをねじ込むなど「要所要所、いいパッティングが決まって、それがいい流れを生んでくれた」。フェアウエーキープ率80%、パーオン率83%というスタッツとは裏腹に、不安を抱える腰の状態は油断できない。「ホントに軽く軽く、5、6割で打つ感じで。番手も1個上げたりとか、なるべく負担がかからないようにスイングしていた」と説明する。

 前日左にOBを打ってトリプルボギーの最終18番では、ドライバーショットが大きく右に出た。万全ではない分だけ「メチャクチャ広く取ってる」という“許容範囲”を飛び出していったボールは、池よりもさらに右のラフへ。ピンまで250ヤードを残し「即決で」フェアウエーにレイアップ。第3打をロブウエッジで2・5メートルに落とし、パーパットをねじ込んで力強いガッツポーズも出た。

 「攻めるところは攻める、守るところは守る、メリハリがうまく効いた。できるか分からないところから(65は)最高じゃないですか」と声のトーンも上がる。5月から慢性化する腰痛で前週の欧州ツアーは棄権した。「全英のために大事を取ったわけじゃない。無理だった」。今週からトレーナーも合流し、痛み止めを飲んで出場にこぎ着けた4度目の全英で初めて予選を通過した。朝の練習場では、腰をかばっていた影響からか、スタンスが開き気味になっていることをコーチの父優さんと確認して修正。素振りで顔をしかめる場面もありつつ、1打への集中力はむしろ高まった。

 親子で作り上げたきれいなスイングを、時に崩してまで試合に出ている。「ホントは良くないんですけどね…」と葛藤を抱えながら、欧州ツアーのシード確保へ正念場と位置付ける5連戦の真っただ中。「昨日は兄妹のグループラインで195件、メッセージが入ってました」と、兄聖志と妹藍さんの応援に力も湧いてくる。「やるだけやります。何とか18ホール回れるように。ここまで来て、途中棄権なんてできない。最終日、はいつくばってでも頑張ります」。不屈の精神で上位に食らいつく。