池田勇太(32=フリー)が1イーグル、5バーディー、5ボギーの69で回り、通算2アンダーの140で首位と4打差の6位につけた。

出入りの激しい内容には「ホントですね」と苦笑しつつ、随所に見せ場があった。前半14番はティーグラウンドが前に出され、1オン可能な設定のパー4。「ドライバーではグリーンをオーバーして難しくなるのは分かりきっていた」と3番ウッドで右手前まで運ぶマネジメントを選択。ピンまでは約20ヤード、60度のウエッジで下り傾斜を転がして流し込むチップインイーグルを決め、何度も拳を握った。

タフなホールが続く後半に3バーディー。8番では8メートルのバーディーパットを沈め、再び力強いガッツポーズが飛び出した。例年よりグリーンのスピードは出ていないが「もともと速いグリーンで、そのイメージが抜けない。だから打ち切れていない」。前日もホールアウト後に直行したパッティンググリーンでは、ロッカーに置いてあるパターも全て引っ張り出して攻略の糸口を探ったほどだった。

通算19勝を誇るが、この富士桜では勝ったことがない。「みんなそう言うんだけど、だから何だっていうの?」と笑い飛ばし「難易度も高いし、コースは好きだよ」。舞台に関係なく、ひたすら目の前の試合の結果にこだわるスタンスは変わらない。グリーン上の模索は続ける一方で「ゴルフの内容は、ずっと悪くない」。ツアー屈指のロングコースで飾る節目の20勝も、きっと味わい深いはずだ。