池田勇太(32=フリー)が、木下裕太(32)を2アンド1で破って4強入りした。

勝ってかぶとの緒を締めた。2番で7メートルのロングパットを沈めるなど、スタートから4ホールで3アップ。それが後半13番では1アップまで詰められた。「8番、9番とミスで(取られて)相手を楽にして、自分を苦しめた。(マッチプレーは)相手ありきかもしれないけど、ミスを少なく自分のゴルフを組み立て、チャンスを決めて、リズムをつくれるか。そういうプレーができれば、問題なく戦える」と戒めた。

同郷で1つ年下の木下とは、同じジュニアスクールで腕を磨いた。「そりゃあ、昔はよく一緒に遊んでたから。こういうところで戦うことになって、それも1つの縁だよ」と喜び、初シードに迫っている後輩に愛情あふれる言葉を贈った。「ポテンシャルは持っている。何が足りていて、何が足りていないか、自分の中で解析できれば、もっと活躍できる選手になると思う」。

前日、8強入りでシードに前進した木下が、必死に涙をこらえていたという記事にも目を通していた。「それは1つ壁を乗り越えたということ。それで終わりじゃない。(自分の中で)次のステップをどうつくって、そこに向けて、どう戦っていくか。そういうことを考えていかないと、木下裕太っていう人間は、もっと大きくなれない。大きくなることを、オレらは見守っていたい」。力を認めているからこそ、シード入りで立ち止まってほしくない。プレーで示し、エールを送り、飛躍を願った。