【オーガスタ=松末守司】日本人7年ぶりとなるアマチュア出場の金谷拓実(20=東北福祉大)が、上々の聖地デビューを果たした。4バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの73で回り日本勢トップの44位。目標のローアマへ好発進した。6年連続8度目出場の松山英樹(27=LEXUS)は75で63位。ブルックス・ケプカ、ブライソン・デシャンボー(ともに米国)が66で首位に並んだ。

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紅潮した顔には充実感が広がった。東北福祉大カラーの黄色のポロシャツを着た金谷が、最終18番を終えると16年の覇者、ダニー・ウィレット(英国)に歩み寄り握手を交わした。

44位とはいえ、1オーバーで日本勢のトップ。夢のような時間をともに過ごしたウィレット(3オーバー)さえも抑える堂々としたプレーで、聖地に大きな1歩をしるした。「今までに味わったことのない緊張。1番のティーショットはどこに飛ぶんだろうと不安になった。1番バーディーで、2番はプラン通りにできて落ちつけた」と振り返った。

いきなり存在感を放った。1番(パー4)で第1打こそ左に曲げたが、第2打をしっかりグリーンに乗せ約5メートルにつけた。やや上りのラインを読み切り、バーディー発進。2番パー5は、バンカー手前から打った第3打を約3メートルまで寄せて連続バーディーと最高のスタートダッシュを決めた。

その後は我慢のゴルフでパーを並べた。後半1アンダーで迎えた17番で痛恨のダブルボギーをたたいたが、引きずらず18番でパーセーブでフィニッシュした。11年にデビューした松山の第1ラウンドのスコア72は上回れなかったとはいえ、6人出場したアマチュアの中で3位タイ。目標のローアマを射程圏に入れている。

18年10月のアジア太平洋アマで優勝し、夢切符を手にしてから約6カ月。先輩、松山らから飛距離の大事さを説かれ、肉体改造に着手した。3月上旬のオーストラリア合宿では、ロングアイアンに磨きをかけてきた。この日、パー5で3つのバーディーを奪い、進化を証明した。「ロングで取れたのが良かった」と納得した。

決勝ラウンド進出へ、第2日は正念場を迎える。「あんまり下を見ずに上を見て、しっかり上位でやりたい」。夢舞台のハイライトはまだ先にある。