上田桃子(32=かんぽ生命)が今季2勝目、ツアー通算15勝目を挙げた。首位と1打差3位で出ると、8バーディー、1ボギーの65で回り、通算13アンダー203で逆転優勝を飾った。

賞金ランキング2位に浮上し、有資格者を除く上位5人に与えられる全英AIG女子オープン(8月1日開幕、英ウォーバンGC)出場権に近づいた。また、来年の東京オリンピック(五輪)出場への強い意欲も示した。

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挑戦魂に火がついた。首位と1打差で迎えた最終日。上田は最終組で一緒に回った米ツアー3勝のキム・ヒョージュ(韓国)の背中を見ていた。「アグレッシブについていこう。挑戦していく感じは自分の性格に合う」。6番で1メートル、7番で右横2メートル、8番でピンまで約9ヤードから60度ウエッジでチップインという3連続バーディーをマーク。一気に首位に並ぶと後半は4つスコアを伸ばし、2位に6打差をつけて圧勝した。

07年、16年、18年と過去3度2位だった同ツアーで優勝を飾り「リベンジできてうれしい」と安堵(あんど)の笑みの上田は前夜、大会期間中に普段、口にしないお酒を少し飲んだ。日本酒の銘柄でど根性、そして「喜怒哀楽をコントロールする、それでいい」との趣旨がラベルに書かれた屋守(おくのかみ)の2種類。「(飲んで)自分らしく行けという直感があって。ガンガン行こうと決めていた」。熱い思いがプレーに乗り移った。

賞金ランク2位に浮上し、全英AIG女子オープン出場に近づいた。メジャー出場の先に来年の東京五輪を見据える。「うまい選手と戦うのはゴルフの1番の醍醐味。それを感じるために五輪に出たいというのもすごくある。選手としてのピークは今」。15日に33歳を迎える上田が一気に勢いづいた。【藤中栄二】