降雨によるコースコンディション不良のため最終日が中止となり、第3日に首位に立った星野陸也(23=フリー)が、通算196、20アンダーで今季初勝利、通算2勝目を挙げた。

体重が増え、ショットの飛距離がアップ。昨年フジサンケイ・クラシック以来の勝利につなげた。2位には18アンダーで秋吉翔太、3位には16アンダーでジェーンワタナノンド(タイ)と岩田寛が入った。

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「最終日やったとしてもたぶん優勝できたと思うので」。自信と勢いがあるときは、勝利の女神がやってくる。星野にとってはそんな雨天中止だった。「4日間での優勝が一番うれしいが、こういうこともある。3日間、しっかり実力を出し切った」と、優勝会見では晴れ晴れとした表情を見せた。

3日間で昨年の優勝スコア20アンダーをマーク。第3日終了後には「最低でも25アンダー」と最終日の目標を掲げていた。好調の要因は、体重を増やしたことによるショットの飛距離アップだった。例年、国内開幕直後の1カ月で約6キロもやせていたが、今年は競技中の食生活を改善。昼前後のスタートの日も、競技終了後と夕食、余裕があれば間食も入れ、今大会では過去最高の78キロに増やした。

体重増で、ドライバーでは10ヤード、アイアンでも5~10ヤード飛距離が伸びた。大会前の25日には、3時間かけてクラブの飛距離を徹底チェック。「飛んでいるんだ。成長している」という実感と「番手の飛距離が決まった」と、コースの攻め方も細かく設定した。

この大会では新たな出会いと別れがモチベーションになった。新たにタッグを組んだ小沼泰成キャディーは茨城・水城高の同級生。ゴルフ経験はないが、プロのキャディーを目指す心意気に刺激を受けた。そして、用具契約を結ぶ住友ゴム工業の選手担当・上原輝久氏との別れ。28年間現場で選手の面倒を見てきた同氏が、今大会を最後に異動で現場を離れることになった。「プロになって以来、ずっと気に掛けてもらった。上原さんのために頑張った」と、星野は胸を張った。

昨年9月のフジサンケイ・クラシック以来の通算2勝目に「予想と同じかちょっと早いくらい。目標としては前半に勝つことだったので、その通りうまくいった」と星野。その先の目標を「最終的には賞金王。まず最初の1勝をクリアしたので、次はZOZO選手権(10月)に出る」。目の前の試合を1つ1つクリアしながら、大きな目標に突き進む。【桝田朗】

▽星野陸也の使用クラブ

▼1W=ダンロップ スリクソン Z785(シャフト=TPT GOLF 16、硬さX、長さ45インチ、ロフト10・5度)▼3W=テーラーメイド M2(16・5度)▼5W=ダンロップ スリクソン Z-TX(18度)▼アイアン=同 Z585(3I)同 Z945(4I~PW)▼ウエッジ=同 クリーブランド RTX3(50、58度)▼パター=オデッセイ ホワイトライズ ix 3SH▼ボール=ダンロップ NEW スリクソン Zスター