メジャー初挑戦の渋野日向子(20=RSK山陽放送)が7バーディー、1ボギーの66で回り、4アンダーと最高のスタートを切った。

後半だけで6バーディーを奪い、初の海外大会で好スコアをたたき出した。日本でも初優勝が国内メジャーのワールド・サロンパス・カップだった98年度生まれの「黄金世代」が、世界の舞台でも存在感を示した。勝みなみは70、アマで18歳の安田祐香は73で回った。畑岡奈紗は76だった。

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驚きの世界デビューだ。渋野は「特に怖いものはない」と話した通り、攻めの姿勢で後半だけでスコアを6つ伸ばした。初の海外大会、しかも初の米メジャーで「66」をたたきだす大物ぶりをいきなり発揮した。「気持ち悪って思って、自分でもびっくり。出来すぎです」と笑い飛ばした。

バーディーラッシュをかけた。4番パー4でボギーを先行させたが、8番パー3で取り返して折り返すとギアを上げた。後半に入った10番パー4で8メートルのバーディーパットを沈めると、そこから3連続バーディー。その後も15番パー5でバーディーを奪い、17、18番でも連続バーディーとスコアを伸ばしてフィニッシュした。「後半に入って長いパットが入って切り替えていけた」と振り返った。

女子ゴルフ界を席巻する黄金世代の1人。しかも、ルーキーシーズンの今年にあって、国内ツアー初優勝がメジャーという離れ業をやってのけた。アマチュア時代は目立った結果は残していなかったが、7月の資生堂アネッサ・レディースで2勝目を挙げ、黄金世代の中で畑岡奈紗、勝みなみに次ぐ、複数勝利を挙げ、世代をけん引する位置まで急成長した。

どこにいても物おじしない。海外経験は昨年、タイで行われた合宿に参加しただけだが「ストレスは感じない。お菓子とかいっぱい持ってきているので部屋でばくばく食べながらって感じです」とあっけらかんとする。関係者が集めた大会の動画は「見なかった。ぶっつけ本番みたいな感じ」と話し、コースの感想も「北海道みたい」と、抜群の集中力をみせるプレー以外は、等身大の20歳だ。

第2日以降に向け「初日がいいと後が悪い。気持ちを切り替えて自分のプレーができるように頑張ります」と地に足をつける。黄金世代の「持ってる女」がメジャーの舞台でもその実力を十二分に発揮した。

◆渋野日向子(しぶの・ひなこ)1998年(平10)11月15日、岡山市で3人姉妹の2番目として生まれる。幼稚園時の夢は仮面ライダーとアリエルになること。8歳でゴルフとソフトボールを始める。小6でソフトボール投げ58メートルで県2位。ゴルフでは、中1から岡山県ジュニア3連覇。18年2度目の挑戦でプロテスト合格。父悟さんは砲丸投げ、円盤投げで国体2位。母伸子さんはやり投げで高校総体出場。165センチ、62キロ。

◆女子ゴルフの黄金世代 98年4月~99年3月生まれの女子ゴルファー。米ツアーで活躍する畑岡奈紗や勝みなみら、アマチュア時代からの実力者がひしめく世代で、今季は国内21試合中7試合で黄金世代が優勝している。勝みなみの2勝、渋野日向子の2勝に河本結、原英莉花、小祝がそれぞれ1勝ずつ挙げている。