石川遼(27=CASIO)が3季ぶりの復活優勝を果たした前戦の日本プロ選手権に続き、自身初となる2大会連続優勝を果たした。

5バーディー、1ボギーの68で通算20アンダー、268。初日からトップを譲らず自身3度目の完全優勝。賞金3000万円を獲得し11年以来のランキング1位に浮上した。26日付の世界ランキングで日本勢4番手の122位浮上が予想され、2枠ある20年東京オリンピック(五輪)出場へまた1歩前進した。

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20年東京五輪出場を、はっきりと視界にとらえた。強い石川が帰ってきた。出だしの1番で第2打がグリーン右のラフに行ったが「信頼している」と話すサンドウエッジでチップインバーディーを奪った。さらに、5番でもグリーン脇からチップインを決めるなど、崩れことなく独走。2位に4打差をつけて3度目の完全V。今季2勝目、通算16勝目を手にした。

賞金ランキング1位浮上の大きな1勝だ。自身初の2大会連続優勝で、五輪ランキングでも16ポイント加算。26日発表の最新ランキングでは、178位から122位に上昇で、56人抜きの見込み。日本勢では小平の127位を抜き、14位の松山、34位今平に次ぐ日本勢3番手に浮上するとみられる。2枠ある五輪出場枠へ、あと1歩という位置まで迫ってきた。石川は「(日本代表ヘッドコーチの)丸山さんにはっぱをかけられました。そこを目指してやっていいきたい」と気持ちを高めた。

優勝後、初日の22日朝に義母ががんで亡くなったことを明かした。出場するか悩んだものの、妻の後押しもあって出場。「日本プロの時も闘病中だったが『遼君が頑張っているから私も頑張ろう』と言ってくれていた。頑張っている姿を、変わりなく見せなければと思った」。最終18番では「見てくれているかなと思いながらプレーができた」と意識し「いい思い出になった。自分だけの力じゃない」。天国に届ける勝利でもあった。

まず、出場予定のRIZAP・KBCオーガスタ(29日開幕・福岡)で3連勝を狙う。「次の試合もリセットした状態で、良いゴルフができれば、またそういうチャンスがある」。勝ち続けた先に、さらに大きな舞台が待つ。五輪ランキングを上げるため、当面は、獲得ポイントが大きくなる10月開催のZOZOチャンピオンシップ(千葉)の出場が目標になる。ウッズ(米国)や松山英樹らが出場を表明しているビッグマッチ。不振時には「恥ずかしい」と思うことさえあった同い年の第一人者、松山英樹とのラウンドにも、今は「ぶつかってみたいな」と言うほど自信を取り戻しつつある。【松末守司】

◆東京五輪への道 18年7月~20年6月の五輪ランキング上位60人に出場権が与えられ、15位以内は1カ国最大4人、16位以下は同2人出場できる。ランキングはポイントによる。各大会で得られるポイントは、あくまで目安だが、4大メジャー大会を制すると100ポイント、米ツアーで優勝で50ポイント前後。国内ツアーは優勝が16ポイント前後で、国内メジャー大会は約2倍の30ポイント前後が加算される。

◆ZOZOチャンピオンシップ 10月24~27日に千葉・習志野CCで開催される国内初開催となる米男子ゴルフ(PGA)ツアー。大会は賞金総額975万ドル(約10億7300万円)、優勝175万ドル(約1億9300万円)のビッグ大会で米ツアーメンバー60人のほか、JGTOの賞金ランク上位者、主催者推薦選手ら計78人が出場。賞金が高額のため日本の賞金王レースでは50%が加算される。ウッズ(米国)、マキロイ(英国)らが出場を表明している。