3人によるプレーオフ(PO)の末に大院大4年の松井貴鋭(たかとき、21)が初優勝した。牛塚海斗(18=東北福祉大)と谷本伊知郎(46=高松グランド)の3人が69のスコアで並び、POは1ホール目で松井がバーディーを獲得。

ハイレベルな戦いに終止符を打った。シニアは久保田剛司(65=満濃ヒルズ)が1位。上位10人が全日本大会(11月14、15日、石川・片山津GC)の出場権を獲得した。

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人生初というPOを制した松井は「今まで精神的に弱かったので一番、自分が驚いている。最後はすごくアドレナリンが出ていた。気持ちで打ちました」と喜んだ。3人によるPOは1番パー4で行われ、全員が約4、5メートルの距離を残したが、松井はオーバー覚悟で唯一のバーディーパットを決めた。

この日は4バーディー、1ボギーと安定。「最近そんなに調子がよくなかったが、何とか粘れた。OBがなかったこともうれしかった」。ただ8番パー3はバーディーチャンスにつけながら「弱気になって外した。それがすごく悔しくて」。直後の最終9番パー5でバーディーを奪い、約1時間後のPOにもその反省を生かした。

全国屈指の強豪に数えられる大院大ゴルフ部では実力順にA、B、C1、C2の4軍に分かれ、松井はBとC1を行き来する。全国大会に出られず「とにかく今大会でやるしかなかった」と気合十分だった。

卒業後はゴルフ場の研修生となり、プロテストに挑む予定。ジャック・ニクラス、トム・ワトソンが好きというホープは、この優勝を原動力にして才能を一気に開花させる。

◆松井貴鋭(まつい・たかとき)1998年(平10)3月30日生まれ、奈良市出身。小4からゴルフを始めて奈良育英高から大院大へ進学し、2年秋の関西新人戦などで優勝。ドライバーが得意。175センチ、85キロ。

<POで敗れて2位の谷本>(大学生との優勝争いは)いつものことで気にせずプレーした。

<POで敗れて2位の牛塚>今日はショットが良かった。(POで約5メートルのバーディーパットを外し)ラインが難しかった。