「渋野の後輩」が猛チャージだ。石川怜奈(19=チェリーヒルズGC)がこの日のベストスコア65をマーク。42位から、通算6アンダーの1位に急浮上した。

岡山・作陽高で、1学年上の渋野を“ヒナコッティ”と呼び、全英女子オープン優勝で「なんか遠い存在になっちゃった…」と笑う後輩が合格に突っ走る。トーナメント・プレーヤー(TP)単年登録のアン・シネ(28=韓国)も首位に浮上した。

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石川は驚いた。「ビックリしました、自分が」。スタート時の1オーバーの42位から、なんと通算6アンダーの首位浮上。前半2番パー5でアプローチをOKに寄せて初バーディー。9バーディー、2ボギーの65は、3カ月前の研修生大会で出した68を更新する自己ベストだ。「バーディーがどんどん来て、自分じゃないみたいで、緊張してしまった」と引きつり気味に振り返った。

驚いたと言えば、渋野の全英女子オープン優勝だ。LINEで「おめでとう」と送り「ありがとう」と返事は来たが、しみじみこぼす。「もう“負けたくない”と言うより…遠い存在になっちゃったなあ…」。

高校の1年先輩を周りは「日向子さん」と呼ぶのに「ヒナコッティ」と呼んでいた。「なんとなく“ティ”をつけたくて」と、中学時代から親交があり気安くて勝手に命名した。昨年1次予選を1打差落選したプロテストで、今年の2次予選を通るとLINEで「ナイス!」と連絡が来た。「あのまんまの人です」と渋野の素顔を説明するが、もう昔と立場が違う。

残り2日、首位に立った。「何があるかわかりませんから」。すっかり偉大になった先輩の背中を追いかける。【加藤裕一】

▽作陽高で石川の1年先輩の渋野日向子 レナは愛くるしすぎる、すごい人懐っこい子で、あんまり難しく考えない、素直なゴルフをする子です。プロになったら新しい逸材だと思う。あと2日、いつものレナで悔いのないよう頑張ってほしい。

◆石川怜奈(いしかわ・れな)1999年(平11)11月23日、広島・福山市生まれ。ゴルフは6歳から。ドライバー飛距離250ヤード。ステップアップツアーの16年山陽新聞レディースで予選落ち。作陽高卒業後に兵庫・チェリーヒルズGCの研修生となり、同コース開催だった今年の日本女子プロで葭葉ルミのキャディー。168センチ。血液B型。