AIG全英女子オープン優勝の渋野日向子(21=RSK山陽放送)が、今季3度目の予選落ちに涙を見せた。残り3試合で賞金女王もかかる大事な試合で4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの72。通算1アンダー、143で51位となり、カットラインに1打足りず予選落ちし、賞金女王争いにも終戦宣言。

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前日の誕生祝いで笑った渋野が、悔し涙を見せた。競技終了後の会見。「4アンダーまでいったのに、伸ばしきれなかったのは本当に情けない。予選落ちはショックで泣きそう」と言った後、目に涙があふれた。必死にこらえて「すみません」。21歳最初の大会は、最悪の結果になった。

賞金女王を争うランク1位の申ジエ、2位の鈴木愛と回った前日には「明日は自己ベストの63を出す」と臨んだ。前半は4番から3連続バーディーもあった。勢いに乗るかと思われたが、続く7番でボギー。後半の11番では痛恨のダブルボギー。最後まで波に乗れなかった。「後半はやばいなあと思いながら回っていた。その中でパッティングを決められなかったのは、やっぱり自分が弱いんだな」とうなだれた。

3月30日、アクサ・レディースで2試合連続予選落ちして以降、米ツアーも含め27試合連続予選通過してきた。その間に国内3勝、全英1勝。プロ1年目の新人としては、これ以上にない成績だ。しかし、全英優勝で世の中の期待値は大きくアップ。マスクや帽子をかぶっても見つけられ、ゆっくり外食もできない注目度に戸惑う。そんな状況に「自分はそれについていけてるのかな」と前日の会見でも吐露していた。

大変なプレッシャーの中で、自分を保つ難しさと渋野は闘ってきた。賞金女王争いも、実力以上のところでの戦いであることを、本人、その周囲も十分に分かっている。残り2試合へ「残り3試合で一番やっちゃいけないことをやった。もう賞金女王は私の口からは言っちゃいけないな」と、事実上の終戦宣言も飛び出した。そして「残り2試合でしっかりトップ争いして、トップ10以内に入れるよう頑張りたい」と気持ちを切り替えていた。【桝田朗】