女子ゴルフツアーの大王製紙エリエール・レディース開幕前日の20日、ツアー通算3勝の一ノ瀬優希(31=ミロク情報サービス)が開催コースのエリエールGC松山で囲み取材に応じた。一ノ瀬は現在賞金ランク80位で、賞金シードを失う可能性が高い。18日にQT出場の意思がなく、今季限りでツアーの第一線から撤退する意向を表明していた。

一ノ瀬は「引退じゃないです。今後やりたくなれば、来年でも主催者推薦をもらえて、出られるなら、という思いもあります」とツアー活動からのセミリタイアであることを強調した。

考えは夏ごろからあったという。2月に転倒して左肩を骨折。「完全に元には戻らないとは思ったけど、こんなに時間がかかるものかと…。戦う準備もできないことがきつかった。優勝して終わりたかった。戦えない自分が悔しかったですね」と話した。

男子プロでコーチの谷口拓也と9月に結婚。「もう少しやれるんじゃないか、QTも受けてみれば、と言われた」と言うが「なかなか“行くぞ”という状態に、気持ちが入っていかなかった」と説明した。

思い出と問われて「全英に行けたことですかね。ずっと行きたい、行きたいと思っていて」と当該年の国内ツアー実績で出場権を勝ち取った12年のメジャー全英女子オープンを挙げた。

「昔は20代で結婚して、30歳で引退と思っていた。そう思えば、ちっちゃい体で12年、ツアーに出られたのは頑張ったかなと思います」。07年プロテストに合格し、身長158センチで戦ってきた。とりあえず“最後”になる今大会。「優勝を目指してやりたい。笑顔で終わりたい」と話した。