AIG全英女子オープン覇者の渋野日向子(21=RSK山陽放送)が賞金女王“ミラクル戴冠”を逃した。「単独2位以上」を前提条件に、首位と2打差3位でスタートしたが、70と伸ばしきれず通算7アンダーの281で2位。賞金ランクも2度目の女王戴冠となった鈴木愛に約757万円差の1億5261万円で2位に終わった。

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今大会の第3日、渋野は17番でイ・ボミがほぼ直角に曲がるフックラインを読んでパターを決めると、自分のことのように喜んだ。激しい首位争いを忘れさせるような、心がほっとするようなシーンだった。

渋野は、同じ組で優勝争いをしているような選手のパットでも、よく一喜一憂している。パットが入れば喜び、わずかに外れると、その瞬間ヒザをおるようにして悔しそうにする。一緒にプレーする選手の気持ちになっているのだ。

優勝が絡む絡まないにかかわらず、他の選手のパットを全く見ない選手もいる。自分のプレーだけに集中する選手もいる。渋野は「相手が誰であれ、一緒に回っている選手がいいプレーをしたら“ナイス!”と言いたいんです」と理由を話した。

自分のプレーがうまくいかないときでも、相手のプレーを見る余裕がある。勝ち負けもそうだが、渋野は本当にゴルフを楽しんでいるんだなと思う。【桝田朗】