昨年賞金女王を争った渋野日向子(21=RSK山陽放送)と鈴木愛(25=セールスフォース)が、対称的なスタイルでオリンピック(五輪)イヤーのスタートを切る。

21日に都内で行われた契約メーカー発表会にそろって出席。渋野はタイでの約10日間の合宿を経て2月20日開幕の米ツアー、ホンダLPGAタイランドで始動。鈴木は約1カ月の米アリゾナ合宿を経て、3月5日の国内開幕戦、ダイキンオーキッド・レディース(沖縄)に照準を合わせる。攻撃型な渋野に、堅実型の鈴木。ともにねらうは東京五輪での金メダルだ。

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米ツアー開幕戦でいきなり優勝争いをした畑岡に、刺激を受けていた。渋野は「しょっぱなから全力で行く奈紗ちゃんはすごいな。最後敗れたのは残念だけど、奈紗ちゃんも五輪に出たくて頑張っている。私もしっかり準備してついていけたら」。

渋野は、クラブ契約を結ぶPINGの新製品発表会に昨年最後まで賞金女王を争った鈴木とともに出席した。過去最多のメディアを集めた華やかなイベントでも、はやる気持ちを抑えられなかった。

昨年の大活躍で、オフはテレビやスポンサーのイベントなど多忙な日々を送った。それも、公に顔を出すのはこのイベントが最後。27日からは「地獄」という約10日間のタイ合宿に出発。帰国後、国内で調整してから、2月20日開幕する米ツアー、ホンダLPGAタイランドに出発する。

「東京五輪に出たいので6月までは、米ツアーと国内ツアーでしっかり選ばれるように頑張りたい」と決意を話した。そのゴルフスタイル同様、今季の日程は「攻め」。国内と海外を行ったり来たりで、開幕戦は海外。ぶっつけ本番となる、タイ、シンガポールでの米ツアー連戦も「現地に行ってしっかり調整して、その場で対応する。技術もできていないので、そういうところでやっていかないといけない」と前向きだ。

渋野は、実戦の中で成長するタイプだ。プロ1年目の昨年は、ほとんどが初めてのコースで、後半戦に尻上がりに調子を上げた。「去年のことは忘れて、今年は一から出直し」と自分を戒めるが、今年も強気のパッティングのように攻めて五輪金の夢をつかむ。【桝田朗】

◆ゴルフの東京五輪女子出場資格 60人が出場でき、6月29日時点で国際ゴルフ連盟が定めた五輪ランキング(世界ランキングをもとに算出)上位15人が自動的に出場権を得る。15人の中では各国最大4人が出場できる。15位以内に1人しか入っていない国は、16位以下の上位1人が出場できる。15位以内に入っていない国は、16位以下の最大2人までが出場可能。その他、5大陸ごとに各1人の出場枠がある。日本勢は13日発表の世界ランクで15位以内に畑岡、渋野、鈴木の3選手がいるため、現時点では3人が出場可能。