今季メジャー初戦ANAインスピレーションの延期は、東京オリンピック(五輪)日本代表争いにどの程度、影響を与えるのか? 出場予定だった世界ランク5位畑岡奈紗、同12位渋野日向子、同14位鈴木愛、同61位河本結に限れば、畑岡、渋野、鈴木の“3強”にさして影響はなく、単純に追う立場の河本にとって痛手になった。

五輪代表は世界ランクに準じた五輪ランクで決まる。世界ランク15位以内に複数選手が入れば各国最大4人、16位以下なら同2人(15位以内に1人いれば、16位以下の最上位選手もう1人)が手にできる。

世界ランクは、過去2年間(104週)の総獲得ポイントを出場試合数で割った平均ポイント(試合数が35未満の時は、35で割って平均値を出す)で順位をつける。特に直近13週を重視し、そこを除く91週は毎週一定割合でポイントが減っていく。

大会ごとのポイントは国内ツアーより、世界ランク上位者の多い米ツアーの方が高い。優勝ポイントは、昨夏に渋野が勝ったAIG全英女子オープンなどメジャーが100、通常の米ツアーが約40、日本の国内ツアーが約20となる。

今後の日本代表争いを“3強”に絞って見ると、最有力は5位畑岡。12位渋野、14位鈴木は“当確”となる15位から陥落して一騎打ちとなれば、現状の順位だけでなく、過去の“内訳”で渋野が優位に立つ。

渋野は過去2年で出場47試合だが、前半の18年は獲得ポイントが極めて低い下部のステップアップツアー(優勝ポイント2~3)が10試合以上もある。現在のポイントをほぼ19年に稼いでおり、減算されていくポイントが少ない。

一方、鈴木は出場51試合が全部レギュラーツアー。18年は国内で4勝するなど、ある意味“実力者ゆえ”に、減算分を好成績でカバーする必要が出てくる。

【ゴルフ担当=加藤裕一】