ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第4回はダンロップ契約の新垣比菜(21=ダイキン工業)。

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アマチュア時代に3週連続トップ10をマークした。黄金世代の1人で、実質プロ1年目の18年は初優勝して賞金ランク23位だったが、昨季は0勝で27位。今季は巻き返しに挑む。

クラフトマン(CM)は「スイングを変えず、クラブで捉えるところはしっかりとクラブに任せるタイプ」と言い、今季のテーマに「全体的なスキルアップ。振った感覚と弾道が一致しているか。ウエッジではアプローチ、バンカーショットが優しく打てるか」を挙げ、期待をかけた。

昨季は主な部門別ランクで10位以内がなかった。結果を出すため、ドライバー、フェアウエーウッド(FW)などで最新モデルのゼクシオイレブンを使い、クラブの性能を十分に生かして飛距離アップを狙う。アイアンは易しく、球の上がりやすいゼクシオエックスを使い、高弾道でよりピンをデッドに狙い、チャンスを増やしたい。

新垣は誰に対しても控えめで丁寧だ。人柄は、ツアー関係者の間でも評価が高い。強い自己主張が少ない分、CMとのやりとりもじっくりしたものになる。

「新垣プロの周りには“ウチナータイム”が流れている。非常にマイペースで穏やか。あまり感情をあらわにしたり、言葉で表現するタイプじゃない。ただ、内に秘めたものは強い」。ツアーデビューは11年、地元沖縄の開幕戦ダイキンオーキッドレディースで、当時12歳2カ月だった。宮里藍、諸見里しのぶらに続く「沖縄の星」の本領発揮はこれからだ。【加藤裕一】

◆新垣比菜(あらかき・ひな)1998年(平10)12月20日、沖縄生まれ。ゴルフは父博昭さんの指導で8歳から。興南高卒。15年に下部ツアーのニンジニアRKBレディースで史上3人目(当時)のアマチュアV。16年日本ジュニア優勝。アマでツアー42戦出場後、17年プロテストで9位合格。18年サイバーエージェントレディースでツアー初優勝。165センチ、56キロ。

<新垣比菜のダンロップ契約クラブ>

▼1W=ゼクシオイレブン(ロフト角8・5度…プロ専用、シャフト=三菱ケミカル ディアマナX 50、硬さS、長さ45・5インチ)▼FW=ゼクシオイレブン(3W15度、5W18度)▼ユーティリティー=ゼクシオイレブン(4U20度、6U26度)▼アイアン=ゼクシオエックス(5I~PW)▼ウエッジ=クリーブランド RTX4 ツアーサテン(48、52、58度)▼ボール=スリクソンZスター