2020年の男女ゴルフツアーが新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、開幕戦からストップしている。ここまで中止、延期となった各大会の名場面を振り返ります。

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▽2019年(平31)大会(5月9~12日、茨城GC東C)

ルーキー渋野日向子の出世大会となった。国内メジャーのシーズン初戦。最終日、韓国のペ・ソンウと2人で首位タイから出て、4バーディー、3ボギーの71で回り、通算12アンダーとペを1打差で振り切り、ツアー初優勝を飾った。「20歳178日」での優勝は大会史上最年少。国内メジャーで初優勝を飾った日本選手は、16年日本女子オープンの畑岡奈紗以来8人目。後の“しぶこフィーバー”を予感させる内容だった。

ホールアウトすると「黄金世代」の仲間らにウオーターシャワーで祝福された。緊張が緩み、涙が出た。「生まれて一番うれしいのかな。まだ緊張しています」。優勝会見の笑顔もぎこちなかった。

ペとのマッチレース。通算12アンダーで並んで迎えた16番パー4で、渋野に流れが傾いた。ペがまさかのダブルボギー。渋野はパー。残り2ホールで2打差抜け出した。18番でペがバーディーを奪ったが、パーで逃げ切った。

98年度生まれの「黄金世代」にあって勝みなみ、新垣比菜、小祝さくららから遅れること1年、プロテストは前年18年に2度目の挑戦で合格した。先を行く同級生の輝きの影で「笑顔」を学んだ。「去年までは喜怒哀楽を出すタイプだったけど、感情を出すとスコアを落とした。いつも笑顔でいようと気をつけるようになった」という。

4つの国内メジャーにあって、海外招待選手が幅を利かせる大会だ。前年までの外国人選手連勝を4で止めて「私で良かったんでしょうか?」と苦笑した。開催コースが、ともに筑波大卒の両親が学生時代を過ごしたつくば市にあった。最終日は母の日だった。

「こんなに早く優勝できるとは思わなかった。1勝だけでなく、2勝も3勝もできるように頑張りたい」-。

最終QTランク40位というツアー出場に“ギリギリ”の位置でシーズンを迎えたが、確かな歩みを見せていた。プロデビュー戦の開幕戦2戦目ヨコハマタイヤPRGRレディースで6位。直後2戦連続予選落ちしたが、3週前のKKT杯バンテリンレディースは「最下位発進からの予選通過」という離れ業を演じ、2週前のフジサンケイレディースで自己最高位の2位。初優勝の流れはあった。

8月全英AIG女子オープン優勝へ。樋口久子以来2人目の日本女子による42年ぶりのメジャー制覇というシンデレラストーリーのプロローグと位置づけていいトーナメントだった。

■過去5年の優勝者

15年 田仁智 -12

16年 レキシー・トンプソン -13

17年 キム・ハヌル -9

18年 申ジエ -3

19年 渋野日向子 -12