米男子ツアーの統括団体PGAツアーはこのほど、6月11~14日のチャールズ・シュワブチャレンジでのツアー再開に向け「健康と安全のガイドライン」を作成した。37ページに及ぶ文書は12日に選手に配布されており、選手はまず6月8日にテキサス州フォートワースで新型コロナウイルス感染防止などの検査を受ける。

同ツアーはガイドライン作成のため、2カ月かけて、医療エキスパート、米政府の同ウイルスタスクフォース、他のスポーツ団体などから情報を収集した。同ツアー幹部のタイラー・デニス氏は「私たちはゴルフ再開計画という名のもとに関係団体とともに熟考を重ね、このプランは透明性を持って、時間をかけて練られてきました」とした。

ツアー開催は安全、健康の確保が大前提で、大会開催コースのある地域に、医療的な負担をかけない方針。ガイドラインのベースになるのはソーシャルディスタンス。大会期間中の握手、ハイタッチなどの禁止。選手とキャディーが通常時以上の距離を保つ-ことなどを明確にしている。

同ツアーの代表競技委員アンディ・レビンソン氏によると、選手、キャディー、大会スタッフは検査プログラム参加が義務づけられており、大会開催地に到着後、問診票の提出、検温、ウイルス検査を行う。また、練習ラウンドから大会終了まで、コース来訪者全員が敷地に入る前に問診票提出と検温を行う。検査で陽性反応が出た人は少なくとも陰性結果が2回出るまで隔離される。

ツアー再開後の4試合はプロアマ戦を中止、無観客で行われる。選手が帯同できるのはインストラクター、コーチ、通訳者らのみで、家族は不可。マスコミも制限を受け、1対1の取材は禁止。囲み取材などは決められたエリアで、ソーシャルディスタンスを保って行われる。

感染防止対策はコース外でも適用され、選手には指定ホテル滞在を推奨。大会間移動では、選手とキャディーが最大170人搭乗できるチャーター便を出す。大会期間中、個々の選手に提供される乗用車で、選手同士の相乗りを禁止する。

同氏は「あらゆる場所でリスクを軽減させることが大切。大会開催地の住民、テレビ観戦者に“いい例”を示す義務があります」としている。