ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。

「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第12回はキャロウェイ契約の横峯さくら(34=エプソン)。

   ◇   ◇   ◇

プロ14年目の今季、契約用具メーカーを初めて変更した。今年1月15日にキャロウェイと用具契約。同社の担当者は「1ヤードでも2ヤードでも飛距離を伸ばしたい」と、横峯の根底にある考えを代弁した。15年から主戦場を米国に移した、09年国内女子の賞金女王は、外国勢のパワーに対抗するため、新たな一歩を踏み出していた。

横峯の持ち味はトップの位置が極端に深い独創的なスイングだ。担当者は“天才肌”ならではのやりとりを明かす。「スペックなど細かいことは気にしない。とにかく気持ちよくフェードを打てるクラブを求めている。ヘッド形状もあまり気にならない。サイズが大きくても可」。左から右に曲がるフェードヒッターだけに、この特徴を生かして結果だけを求める、実績十分のベテランらしい要求だ。

担当者は「シーズン中もより良いクラブを求め、テスト、フィッティングをしっかり時間をかけて行う」と、勝負師の一面も明かす。一方で「良い意味でおっとり、ゆったりとした自分のペースを持っている」と、精神面の落ち着きも印象的だという。

そんな落ち着きは、14年4月に結婚した、夫でメンタルトレーナーの森川陽太郎さんの存在も大きいようだ。担当者は「夫婦で協力して少しでも結果が出るように、日々考えて話し合って動いている」と話し、ほほえましく感じていた。結婚後の優勝は、14年11月の大王製紙エリエールレディースのみ。日米で約6年、優勝から遠ざかっているだけに、新境地での飛躍を期している。【高田文太】

◆横峯(よこみね)さくら 本名森川(もりかわ)さくら。1985年(昭60)12月13日、鹿児島・鹿屋市生まれ。8歳からゴルフを始め、高知・明徳義塾高卒業後の04年にプロテスト合格。09年賞金女王。ツアー通算23勝。14年に不動裕理に次いで2人目の、生涯獲得賞金10億円を突破。翌15年から米国を主戦場とする。14年にメンタルトレーナーの森川陽太郎さんと結婚。元参院議員の良郎氏は父。155センチ、51キロ。

横峯さくらのキャロウェイ使用クラブ

▼1W=マーベリックMAX(ロフト角9度、シャフト=イーブンフローグリーン60、硬さS、長さ45・75インチ)▼FW=エピック フラッシュSZ(3W15度、5W18度)▼ユーティリティー=エピック フラッシュスター(5U23度、6U26度)▼アイアン=エピック フォージドスター(5I~PW)▼ウェッジ=ジョーズ(50、54度)、MDフォージド(60度)▼パター=オデッセイ トゥーロンパターシアトル▼ボール=クロムソフトX TT