アマチュアで数々の実績を残し、昨年プロテストに合格したルーキー安田祐香(19=NEC)が、次世代スターへの第1歩を踏み出す。

国内女子ゴルフツアーの今季開幕戦、アース・モンダミン・カップ(25~28日)に向けて24日、会場の千葉・カメリアヒルズCCで最終調整。リモート会見で高まる心境も明かし、大物感を漂わせた。渋野日向子らの黄金世代に続き、将来性十分な選手がそろう00年度生まれの「ミレニアム世代」筆頭格が、女子ゴルフ界を一段と盛り上げる。

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プロデビュー戦を控えたルーキーとは思えない、落ち着きと自信を漂わせていた。練習ラウンド後にリモートで行われた会見で、安田は「いよいよだな、と。少し不安や緊張もあると思いますが、楽しみの方が強い。明日(25日)から、楽しめたらいいかなと思います」と、大きな目でしっかりと前を向いて話した。

実績は申し分ない。高校2年時の17年に日本女子アマで優勝。昨年はアジアパシフィックアマチュア選手権を制した。アマチュアで活躍した選手が多いミレニアム世代の中でも、実績は筆頭格といえる。そこに持ち前の美貌も加わり、デビュー前から岡本綾子や福嶋晃子ら大物も所属したNECと契約。この日、新たなメークでクールビューティーの雰囲気をかもし出していたのも、契約する化粧品大手コーセーのバックアップに由来する。ルーキーでは異例の期待度の高さだ。

開幕戦の第1日は、アウトスタートの1組目に入った。同じミレニアム世代のルーキー吉田優利と共に、新時代の幕開けを宣言するように、先陣を切ってラウンドする。約3カ月半遅れの開幕だが「体力づくりできる期間が増えた」と前向きに、筋力強化に努めた。

「去年と変わらずショットでバーディーチャンスをつくる。まずはフェアウエーキープが大事になる。目先の目標をクリアし、最終的に上位争いできたら」。アマチュア時代から国内ツアーや海外でもメジャーで予選通過した実績から、プロの戦いはすでにイメージできている。重視するパーオン率について「毎試合トップ10以内に入る」と高い目標を掲げたのも、それが上位進出のカギと知るからこそ。初賞金獲得の場合の使い道を問われると「今のところためる感じですかね」と話し、あどけない笑顔も見せた。後世に残る異色の開幕戦で、次世代スターがデビューする。【高田文太】

◆安田祐香(やすだ・ゆうか)2000年(平12)12月24日、神戸市生まれ。ゴルフは西灘小3年の7歳から、坂田信弘主宰の坂田塾神戸校で始める。滝川二高で17年日本女子アマ優勝。昨年はオーガスタナショナル女子アマ3位、アジアパシフィック女子アマ優勝、メジャーのエビアン選手権ベストアマ、全英女子オープン予選通過。プロテスト4位合格で、最終QT2位。大手前大在学中。163センチ、53キロ。