ゴルフのAIG全英女子オープンが20日に開幕し、2連覇がかかる渋野日向子(21=サントリー)は5オーバーの71位で発進した。巻き返しが期待される第2ラウンドは、日本時間21日午後4時9分にスタート。上位進出へ、大事な1日になる。待ち切れない「しぶこファン」へ、優勝した昨年の第2ラウンドを紙面記事とともに紹介する。

   ◇   ◇   ◇

◇第2日◇2019年8月2日◇英ミルトンキーンズ・ウォバーンGC(6756ヤード、パー72)◇賞金総額450万ドル(約4億9500万円)優勝賞金67万5000ドル(約7400万円)

黄金世代の渋野日向子(20)が2位で決勝ラウンド(R)に進んだ。1打差2位から出て4バーディー、1ボギーの69で回り通算9アンダー。首位と3打差2位で予選を通過し、初出場初優勝への期待が膨らんだ。

日本から来た無名の20歳に世界が驚いた。3番で3メートルのパットを沈めて2連続バーディーとし、首位タイ浮上。16番では第2打を1メートルに付けて単独首位。リーダーボードの最上位で上がってきた。海外記者からは質問攻めにあい、米女子ゴルフ協会は、デビュー戦の「SHIBUNO」の快進撃をトップ記事で掲載。常に笑顔で回ることから「スマイリング(笑顔の)シンデレラ」と紹介した。

ホールアウト後、V争いを繰り広げたブハイがスコアを伸ばしたことで、首位と3打差2位で決勝Rへ。初出場初優勝の快挙達成へ、渋野も驚きを隠せない。

「やっちゃってますよね。優勝は必然的に考えてしまう。パットが入って、変な順位(首位)に行くじゃないですか。やっべぇなあ、と思って緊張しました」

平常心が強さの秘訣(ひけつ)だ。ホテルに戻れば動画を見ながら、持参した駄菓子を食べる。「好きな芸能人を見て癒やされて寝ます。EXILEの佐藤大樹なんですけど、カッコイイ。毎日、見ています」とまた笑顔。15番では、ティーグラウンドに寝そべっている少女と目があった。

「めっちゃ笑ってくれた。そこから、ついてくれたんです」

笑顔でボールをプレゼントする場面が、世界に映像で流れていた。

日本女子では77年全米女子プロを制した樋口久子(現LPGA顧問)以来、42年ぶり2人目のメジャー優勝への期待が膨らんだ。

「これで自信になったら、てんぐになってしまう」

心から喜ぶのは優勝した時。笑顔のシンデレラは、そう決めている。【益子浩一】