4位から逆転優勝を目指した松山英樹(28=LEXUS)は、17位へと大きく順位を落とし、31度目のメジャー挑戦を終えた。1バーディー、7ボギー、1ダブルボギーの78と崩れ、通算8オーバー、288。難コースとショットの乱れに苦しんだ。通算6アンダーでメジャー初優勝を飾ったブライソン・デシャンボー(米国)とは14打差。見せ場がないまま最終日を終えた。石川遼は通算18オーバーで51位、今平周吾は同25オーバーで61位と日本勢はそろって順位を落とした。

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たまりにたまったフラストレーションが爆発した。11番パー4。第2打でピンにピタリと寄せる絶好のバーディーチャンスで、1メートル足らずのパットを外した。すぐにパーパットを入れて平静を装ったが、歩き始めると右手に持ったパターを持ち上げ、地面に向かって振り下ろした。続く12番パー5では、ラフに入る第2打を打ち終わった直後、同様にクラブを振り下ろして悔しさと怒りをあらわにした。序盤で早々に優勝争いから脱落。後半も立て直せず「何もいいところがなかった」と、肩を落とした。

第3ラウンド終盤からのショットの乱れが続いた。出だしの1番で、ティーショットを左に曲げてダブルボギー発進。2番からの3連続ボギーも、全てティーショットを曲げ、序盤4ホールで5つもスコアを落とした。試合中に何度も首を横に振った。メジャーで過去7度トップ10入り。第3ラウンドを終えて首位のウルフ、2位のデシャンボーという若い2人よりも経験は豊富。逆転優勝圏内と現地でも報じられた。「(重圧は)少なからずあったけど、それはただの言い訳でしかない。最後の方は自信を持って打てなくなってしまった」と、唇をかんだ。

第1日には全体トップの71・43%だったフェアウエーキープ率が、最終日は42・86%に落ち込んだ。「ここまで悪くなってしまう原因があると思うので、それを修正する力をつけたい。あとはパッティングがうまくできれば、優勝のチャンスもすごく増える」。結果は17位だが、わずかなきっかけで優勝に近づく実感はある。「その少しが何か分からないけど頑張りたい」。次のメジャーは11月のマスターズ。足りない何かを探す日々が再び始まる。

▽今平(通算25オーバーで61位)「今までこんなにオーバーしたことはない。思った通りのプレーができず残念。また勉強して、メジャーで頑張りたいと思う」