メジャー初優勝を狙った畑岡奈紗(21=アビームコンサルティング)が猛チャージの末、通算7アンダー、273で3位に入った。出だし1番のスーパーイーグルなど、1イーグル、4バーディー、ノーボギーの64をマーク。14アンダーで優勝した金世■(韓国)には及ばなかったが、日本人NO・1の実力を見せつけた。渋野日向子は70で回り、11オーバーの58位だった。

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プレーオフで敗れた18年のこの大会と同じ、最終日64の猛チャージ。悲願の優勝こそならなかったが、畑岡の表情はすがすがしかった。「セヨン(金世■)と6打差でスタートしたけど、自分次第でもしかしたら追いつけるか、と思っていた。いくつかあったピンチをしのぎ、今できることのすべてを出し切ったと思います」。ノーボギーの64に満足そうだった。

ド派手なスタートだった。3日間のホール別難易度3位の1番パー4(419ヤード)で、ピンまで残り188ヤードの第2打を5番アイアンで放り込んだ。打ち上げだったため「入った瞬間は見えなかったけど、グリーン脇にいた人の拍手でわかった。ビックリした」。スーパーイーグルでいきなりスコアを2つ伸ばした。

アウトは2バーディーも含めて31。後半最初の10番パー4も、ホール別難易度1位の難関だったが、ユーティリティーのアプローチで、ピン奥8ヤード先まで伸びるスロープを利用してボールを戻し、50センチにつける妙技でパーセーブ。14、16番でバーディーを奪った。

米メジャー4年で14度目のメジャー。「昨日よりピンを攻められた」というアイアンショットを生かし、伸ばせるだけスコアを伸ばした。「大会前の目標スコアが15アンダーだったので、そこは悔しいです」。それでも屈指の難コースで世界ランク5位の技術の高さと、日本人NO・1の実力を見せつけた。メジャー優勝までの距離が縮まりつつあることを「少しは感じています」と言う。いったん帰国し、国内ツアーで調整した後、12月の全米女子オープンで初優勝に挑む。

※■は火ヘンに英