渋野日向子(21=サントリー)が日替わり進化で、復活の兆しを見せた。2バーディー、ノーボギーの70で回り、通算6アンダーの210で30位。3日間で壁を1つ1つクリアし、「強いしぶこ」の完成にちょっとずつ近づいていく。66で回った申ジエ(32=韓国)が、通算19アンダーの197で笹生の猛追を振り切り今季2勝目、通算26勝を挙げた。

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3日間を戦い終えた渋野の表情は、何ともいえないものだった。2バーディー、ノーボギー。ピンチは1度もなく、ティーショットでフェアウエーを外したのは、パー3の4ホールを除けば、1番だけ。アプローチで何度もバーディーチャンスをつくった。しかし、パットが入らない。

「めっちゃ悔しいです。後半はすべてパーオン。バーディーチャンス何回あったかなというぐらいを、1つも決められなかった。本当に情けない。何回繰り返すんだろう」と、行き場のない怒りを絞りだした。

それでも、連日のように渋野は壁を越えている。第1日は、今季国内ツアーで初のアンダーパー(70)をマーク。第2日は、同じく今季初の60台(69)。そして最終日は、昨年11月の大王製紙エリエール・レディースの最終日以来のノーボギーを記録した。

「久しぶりにノーボギーで回れたので、今日は(100点満点で)5点にしておきます」と渋野。本人はそれほど評価しないかもしれないが、小さな積み重ねが、復活へのバネとなるはずだ。

目下の課題はパッティング。ヘッドがインに上がってインに戻る「イン・トゥ・イン」という振り方に、「ダフってもいいくらい低めのストロークをすることを加えた」という。この日はなかなか結果は出ず、試合後は練習場で黙々とパター練習に没頭した。

次戦の伊藤園レディース最終日の15日に、22歳の誕生日を迎える。激動の20歳から波乱の21歳。22歳を飛躍の年にするために、渋野の努力は続く。【桝田朗】

▽畑岡奈紗(6バーディーの66と猛追も通算14アンダーで3位)「地元での無観客試合は残念でしたけど、久しぶりの日本で自分らしいゴルフができた。今後は米国で1つでも勝てるように頑張りたい」

▽鈴木愛(昨年覇者。7バーディー、ノーボギーの65も、通算13アンダーで6位)「もうちょっと伸ばせたかな。でも、富士通からショットもパットも良くなり、ようやく優勝というところが見えてきた」