原英莉花(21=日本通運)が3バーディー、3ボギーの72で回り、通算10アンダーで10月の日本女子オープンに続く国内メジャー2連勝、さらに第1ラウンドから首位を守る完全優勝を果たした。

ツアータイ記録の1大会4イーグルを記録した古江彩佳(20)が8アンダーで2位。渋野日向子(22=サントリー)は4バーディー、3ボギーの71で回り、通算6アンダーで上田桃子、西村優菜とともに3位だった。

オンライン会見での原の主な一問一答は以下の通り。

-初日から首位を渡さない完全優勝だった

原 本当にうれしい気持ちでいっぱいです。最終日はやっぱり緊張しました。

-最終ラウンドは2位と1打差でのスタートだった

原 ピンポジションや風などのコンディションにもよると思いましたが、他の選手も伸ばしてくるだろうなと思って、伸ばせるところまで伸ばしていこうという心構えでした。でもパー5でボギーがきてしまって、自分の中では苦しい展開になっていました。

-スコアボードは気にしていた?

原 はい。自分が伸ばせていなかったので、すごく気になってました。

-13番ではボールが木に当たって戻ってくるなど、運も味方につけた?

原 13番は木に当たってなかったら林かOBかだったと思うんですけど、それがバーディーになって、ついていたなと思います。

-今大会はじっくりラインを読んでいるイメージがあった

原 今日は特にナーバスになっていたかなと思う部分があって。難しいと思うからこそ、悩んで、自分が納得いくまでしっかり読んで打つという作業にとりかかるというか。自分のラインを信じて打てるまでしっかり見ました。

-国内メジャー2勝目

原 実感はないですけど、4日間の試合で勝てたのはすごく自分にとっても大きいのかなと思います。

-異例のシーズンでもあった。今年を振り返って

原 自分のゴルフ人生の中ですごく大きな第1歩を踏み出せた年になったと思います。

-大きな第1歩とは何に向かったものか

原 何ですかね。まだ今季は続くという面で、賞金女王争いとかそういうことにもつながると思いますし、海外で戦いたい思いもあるので。そこに向けて自分の自信にもなる第1歩だと思います。

-海外への思いについて

原 やっぱり世界ランキングを上げて、海外メジャーに出場したい思いもありますし、ゆくゆくは海外ツアーに行きたいと思っているので、力をつけていきたい。

-2021年へむけて必要なこと

原 まだまだ技術が粗い部分がたくさんあって、まだまだなゴルフだと思うので。そこをしっかりと、波をなくすじゃないですけど、安定したゴルフができるように、自分を信じて果敢に攻めていけるようにしていきたい。

-2020年を一言で表すなら

原 「幸」ですかね。やっぱり2勝できたということが大きいです。

-大会でのベストショットは

原 ベストショットは初日の2番ホールのイーグルの第3打かなと思います。今年、イーグルがなかったんですけど、最終戦できて、初日でイーグルがとれたので、それがうれしかったです。

-それが優勝につながった?

原 そうだと思います。

-今年は一区切りになるが、今年全体で印象に残っているベストショットは

原 やっぱりイーグルのショットかなと思います。それ以外のイーグルがないので。

-今季、国内メジャー2勝で、点数をつけるなら何点?

原 そうですね…81点。国内メジャーを2勝できたので100点をあげたいですけど、予選落ちも何度かありましたし、自分に波があることを痛感したので、19点減点しました。本当にショットがなかなか合わなくて、モチベーションをうまく持っていけないところがあるので。その波が私は大きいかなと思います。

-今日、優勝できると思ったのはどこで

原 17番のバーディーパットを打った時にピッタリいって、お先にパーであがれたので、確信ではないですけど、ホッとした瞬間でした。

-今後にむけて一言

原 まだまだ調整しなければいけないショットやアプローチのバリエーションの少なさとかがあるんですけど、今の自分でも戦えるように、日々勝負強さを高めていきたい。世界はコロナウイルスの影響で大変な状況だと思うが、対策をしっかりして、楽しみたいと思います。

-国内メジャー2連勝ですが、今日プレーしていて、前回の優勝と違ったことは

原 全然違いましたね。女子オープンの時はショットに自信を持って臨めたが、今週は自分のショットに信頼をおけない中で、キャディーさんとここで戦えてるのすごいねと話していたので。最終日までどうなるか不安な気持ちでいました。

-その中で結果を残せた要因は

原 2サムで自分は本当に勝負が好きなんだなと思いましたね。自分のショットがこうだからとかじゃなくて、目の前で戦っているというのが気持ちを奮い立たせるじゃないですけど。そういう気持ちでパターとかも、普段入らないようなものも気持ちでねじ伏せたようなところがありました。

-1対1で戦っていることが気持ちを奮い立たせている?

原 そうですね。ショットが良くなくて、普段なら心が折れてたと思うんですけど、その影響はありましたね。

-ドライバーを今週から変えていたが、その理由は

原 今まで使っていたドライバーは初優勝の時から使っていたんですけど、結構使った年月が長かったので、雨の日とかに滑る傾向があった。でも、全米出場も決まってどんな天気になるか想定できなかったので、変えようと思ってチェンジしました。

-使った感触は

原 なかなか自分がいいスイングができていないのもあると思いますが、もう少し調整が必要かなと思います。

-師匠のジャンボさん(尾崎将司)について。今大会前に言われたことなどは

原 先週、東京に戻って日曜日にジャンボさんのところに行かせてもらってみてもらった時に、いろんなところをかばってスイングしていて、ジャンボさんの鶴の一声で意識を変えたら直った部分がありました。「単純なやつだな」って言われました。

-どこが直った?

原 (クラブの)トップの位置がかなり低くなっていました。「お前、そんなトップ低かったっけ?」って言われて。「(位置は)ここだよ」っていうのを言われて、そうしたらやっぱり球が変わったっていうのはありました。

-同世代の畑岡さんや渋野さんらへの意識

原 そうですね。みんな目標としているものは同じだと思うので。そこで何ですかね。タイトルをとれたというのはすごくうれしいですし、これから同じ舞台でどんどん戦っていきたいなと思います。

-自分も戦えるようになってきたと思うか

原 昔に実績がなかった分、偽物っぽい感じはするのかなと思うんですけど(笑い)。今、選手として日々積み重ねているものは同じだと思うので。そこはこれからもゴルフを職業としてやっていく上で切磋琢磨(せっさたくま)できたらいいのかなと思います。

-ショットが悪い中で、技術的に今日のプレーを支えたものは

原 パッティングは今までの自分と違うプレーで、誰なんだろうって思うぐらいパッティングに支えられていたと思います。

-パッティング練習を増やしたりしたのか

原 今週は特にですが、50センチくらいの距離でボールをカップではなくて、ティーに当てる。自分が真っすぐ出せているんだという確認は何回もしました。

-今日(昨日ラウンド中に食べ忘れた)おにぎりは食べたか

原 食べました。

-食べる余裕があった?

原 昨日のミスがあったからですかね。

-昨日、夢で神様を見たと言っていたが、今日は

原 何か夢見たんですよ。何だっけな。今日は忘れました。(午前)6時くらいに目が覚めて、そこから呪文を唱えてました。

-どんな呪文ですか

原 優勝するとスピーチがあるので、それがすっごい苦手で。それだけが昨日から頭にあって。それができないとプレーができないぐらいもやもやしていて、唱えていました。ねぼけながらもずっと呪文を唱えていましたね(笑い)。

-昨年の活躍から、オフ期間には原さんにもたくさん仕事オファーがあったが、かなり断っていたという話を耳にした。それくらい練習していた?

原 はい。していました。ずっとジャンボさんのところにいったりとか、地方のジャンボさんのお知り合いがいるところで練習させてもらったりとか。コースでの練習とか、ジャンボ邸でのショット練習とかをやったり。予定を1週間ごとに決めるので、自分でも読めなくて。決めるのは自分です。「この練習がしたい」と思って、それに取り組むとかそういう感じです。

-それはプロ野球選手が夜中に思い立って素振りを始めるような、そういうイメージの行動?

原 寝る時は夢の中でやっていますね(笑い)。でも、お風呂に入っていて、あ、左手で歯を磨いてみようとか。左手でご飯を食べようとかはあります。あんまり効果を実感したことはないですね。でも左手は大事なので。それをやると、片方の手で打ってみようとか、それは技術向上になっていると思います。