国内女子ゴルフツアーの21年初戦ダイキン・オーキッド・レディースが4日、ドタバタの末に沖縄・琉球GC(6561ヤード、パー72)で開幕する。3日、大会関係者に新型コロナウイルス陽性反応者が確認されたことを発表。急きょ会場の出入りを禁止し消毒作業を行ったため、練習ラウンドが中止に。コロナ禍の昨年から通算15大会目で初めての事態に、渋野日向子(22=サントリー)ら出場108選手はコース外での最終調整を強いられた。大会は予定通り、約1年3カ月ぶりの有観客で開催される。

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開幕直前にまさかの事態が起きた。大会関係者1人の陽性が2日夜に判明。2月27日にPCR検査を受け、28日に再検査が必要と判断されたが、判定が出る前の同27日と2日に大会の設営業務を行っていた。3日、選手、キャディーら関係者をシャットアウトして消毒作業を行った。

ガイドラインで関係者全員の「陰性確認後のコース入り」を定めているが、“漏れ”が生じた。大会側は、オンライン会見し、ダイキン工業の竹中直文大会実行委員長は「ファン、地元の方々にご心配をおかけし、おわび致します」と陳謝。日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長は「2度とこのようなことが起こらないようにしたい」。保健所に濃厚接触者なしと判定されたことで、4日から上限1000人の観客を入れて開催する意味を「できるだけ(会場に)入って見ていただきたい。これからも(有観客の)チャンスを探っていきたい」と力説した。

選手は、最後の練習ラウンドが流れた。18ホールを回れず本番を迎える者も出る。イン9ホールを回るはずだった渋野は、予定されていた会見が中止となりコメントを発表。「ビックリしましたが、無事に開催できるということで安心しました。アメリカの試合では経験がありましたが、日本では初めてでしたので、今まで以上に気をつけなくてはいけないなと思いました」。さらに久しぶりの有観客大会に「全力で戦っている姿を見てもらえるとうれしい。目の前のことをしっかりとできるように地道に頑張ります」としている。【加藤裕一】

▽新垣比菜(会場での練習、公式記者会見とも中止)「本当にビックリしましたけど、予定通り試合が開催されることになったので良かった。親戚や地元沖縄の人たちが見に来てくれますし、ギャラリーの方たちの前でたくさんバーディーをとって、喜んでもらえるようなプレーをしたい」

◆陽性判明の経緯 陽性判定は大会検査総数1199件中2件で問題は1人。2月27日に受け、28日に再検査が必要となったが、27日と3月2日にコース内で業務に従事した。2日午後7時ごろ、大会側が陰性と確認されていないことを把握し、同9時ごろに陽性が確認された。もう1人は27日に陽性判明、会場には入っていない。設営などの関係者の検査は約30あるセクションごとに管理され、最後に事務局に報告する流れだった。竹中実行委員長は「一部で(管理が)徹底できていなかった。大変反省するところ」としている。

◆昨季の米女子ツアー コロナ禍で約5カ月の中断を経て再開した7月末のドライブ・オン選手権で、ガビー・ロペス(メキシコ)が選手で初めて陽性反応を示し欠場。11月には元世界ランク1位のアリヤ・ジュタヌガーンと、姉のモリヤ(ともにタイ)が、姉妹そろって陽性反応。12月にもメジャー2勝のブリタニー・リンシカム(米国)が陽性。同月の全米女子オープンではアンドレア・リー(米国)が欠場となり、渡辺彩香が繰り上がりで出場権を得た。