女子ゴルフの河本結(22=リコー)がV逸の悔しさをバネに米国での飛躍を誓った。

29日、昨年から本格参戦する米ツアー出場へ向けて成田空港から出国。前日まで宮崎県内で行われていた国内ツアーのアクサ・レディースでは2位に4打差の首位で迎えた最終日に岡山絵里(24=ニトリ)にかわされ、同大会2連覇と自身2度目の優勝を逃した。2日目にはトーナメントコースレコードの63もマーク。それだけに、直後の会見では「ここで2位で話している情けなさ、その思いで頭が回らないです」と悔しさをにじませていた。

当初は試合後の28日夜に米国へ出発予定だったが、精神面などを整えるため、日本滞在を延長した。拠点の東京へ戻り、渡米前最後の和食となる刺し身などを食べてリフレッシュ。空港には明るい表情で姿をみせ「悔しい気持ちが次の試合を頑張ろうという原動力というか、力に変わってきているなと思います」とさらに沸き上がった闘志を口にした。

米ツアー初戦は4月1日から始まるメジャーのANAインスピレーション(米カリフォルニア州)から。昨年は米国で13戦を戦い、ドライブオン選手権で4位に入るなど健闘したが、同時に世界との差も痛感した。28日の会見では「自分が何位に入っているとか、予選を通過しているイメージができていなかった」と海外生活への不安もよぎり、直近の目標について「定まっていない」とこぼしていた。

夢に掲げる世界一へ。気持ちを一晩で整理し、ひとまずの目標を「ANAインスピレーションで10位以内に入りたい」と定めた。「大きい目標には段階がある。それまでの準備などは大事にしたい」と足元を見ながら進む道。その先には来年度の米ツアーシード権の獲得なども見据えている。

出場枠等の関係で、米国で「ANA-」など3試合に参戦後は再び帰国予定。その後も日米を往復するハードな生活が始まる。河本は「昨日までの大会がああいう結果で終わりましたが、ゴルフの内容はよくなってきています。久々に優勝争いをして、自分がどういう心境でゴルフしているのかもすごく勉強になりました。また頑張ります。見ていてほしいなと思います」。歩みは止めない。強い思いを胸に、夢の実現へ1歩1歩進んでいく。【松尾幸之介】